6-10. ビューをインラインに置き換える
データベース機能の章でも説明させていただきましたが、Notion の View は至極便利 です。 しかしながら、切替が少し煩雑です。 また、このビュー機能は便利ではあるもの、Notion のコアユーザでないと認識できません。そのためチーム利用では気付かれないことも多々あります。
その場合は、データベースのインライン表示を利用しましょう。
データベースについてはこちら ▶『データベースの基本機能』
インラインデータベースの基本的な利用方法
やり方
マスターとするデータベースを作成
/table
からテーブルを作成します。これはトグルなどを利用してどこかに閉まっても問題ありません。インラインでも問題ありませんが、どれがマスターとなるテーブルとわかりやすくするために、フルページにしておくのがおすすめです。
インラインでマスターDBに対して、リンクドデータベースを作成する
/linked
から先ほど作成したテーブルのリンクドデータベースを作成します。
条件にあった、ビューを作成、各プロパティの調整をする
データベース機能 で利用したビューの要領で目的のビューを作成します。
ビューを切り替えずにインラインで同時に表示する
一つのデータベースをビューで切り替える事で同様の事は実現可能ですが、Viewで作ったページをインラインで1つのページに一度に並べることで、様々な角度からデータベースを一括で表示することが出来ます。そして何よりも秀逸なのが、すべてのインラインのデータベースはすべて同期的に動くということです。
- テーブルとカンバンとを同時表示
- カンバンを人ベース、フェーズベースの同時表示
- 対応期限をベースにカレンダー表示
などなど、様々な情報を1ページに同時に表示することができます。
データの相互変換する機能は多く存在しますが、それぞれのビューを1ページに配置でき、同期的に動作するこの機能は筆者が知る限り、Notionでなければ実現できない唯一の機能です。
表示するものが多くなると、ページがビジーな状態になりますが、うまく活用すれば、Notionの価値が大きく化ける利用方法です。
この方法をうまく活用しているのが、読書ログ や タスク管理 のテンプレートです。 こちらを参考にしていただけると有用さのイメージがつくと思います。
なんでもありのマルチセレクトをタグと捉える
データベースはカラムを増やし分類を追加することで満足度が高くなりますが、増えすぎたカラムは俯瞰性が下がります。また管理コストも増大します。新たなカラムを追加したときに過去のデータへの更新も必要になります。
これは管理をするための管理工数で、本質ではありません。明確に管理しすぎたDBはストレスです。そのようなときにはマルチセレクトを利用しそのカラムを何でも付与していいタグと捉えます。
映画のデータベースを例に示します。
タグを利用してビューを用いて、マルチセレクトをフィルターすることで、絞込も可能です。 このようにわざわざカラムを生成しなくてもほぼ、問題ありません。
本来であれば、出演者のプロパティと、映画のカテゴリのプロパティを分けてしまうところです。
出演者のカラムを作り出すと、すべてのカラムが埋まってないと筆者は気が済まないのですが、そのデータを埋める作業に時間を費やしてしまう、などのケースが多々あります。
別にカラムで管理する必要はないのです。好きな時に足せばいいのです。そんな雑な管理でもフィルターに影響はありません。
この管理方法を利用することで、雑に配置した映画をあとで整理されたビューを作ることも可能です。タグの内容に対して複数のフィルターをAND条件で利用することで、
ホラー映画
かつ 評価が高く
て、スプラッターではない
などそんな条件でも絞る事が可能です。
ここまでインラインリンクドデータベースをべた褒めしてきましたが、注意点も必要です。
⚠️ インラインデータベースの注意点
UIを破壊するインラインデータベース
インラインはUIを一気に壊しかねないです。破壊的要因として強く感じるのが下記です。
- 横スクロールの概念
通常Notionを利用していて横にスクロールすることはありません。縦長にコンテンツが伸びる中、横スクロールがあると、とてもストレスです。 コンテンツが増えると領域が増える 行となるページが増えることによって、ページが縦にどんどん長くなります。
モバイルとの表示領域の差
PCは横長、モバイルは縦長。この表示領域の差で情報格差が生まれます。スクロールの不明確さ
DBのスクロールなのか、ページのスクロールなのかスクロールしづらいです モバイルだと、縦に長いDBではページスクロールができなくなってしまいます。誤操作による並び替え モバイルでは、スクロールのついでに並び替えが多発します。
読込遅延
リンクドデータベースを含め、データベースは読込が、とても遅いです。 また、ページの読み込みとデータベースの行の読み込みに差があります。これによって段階的に読込が発生するため、とてもストレスです。
単純にページがたくさん並んだページでは、素直にページで作る方がキャッシュもうまく効いてとても読み込みが早いです。
データベースをワークフローへ
リンクドインラインデータベースのさらなる利活用
リンクドインラインデータベースのそれぞれのページは、その他のリンクドインラインデータベースへのドラッグアンドドロップが相互に有効です。
そのため1つのとある場所にテーブルで表示し、とある場所ではカレンダーで表示、のようにしておくと、「テーブルで表示されているページ(行)をドラッグし、カレンダーの指定の場所でドロップ」という手順のを実施することで対象のページの日付プロパティを自動で設定することが可能です。
本来であれば、データベースのカラムを操作しなければならないですが、この方法はGUIベースで1操作で設定ができとても便利です。
また、ドロップ先のリンクドインラインデータベースにフィルターを設定している場合はこのフィルターもドロップしたときに自動で適用されます。これらを応用することで、一つのページ内で目的の一連の動作を完結することが出来るワークフローを構築可能です。
例えば、 やることリストのテーブルを用意しておき、その下部にアーカイブ的にプロパティのdone でフィルターを設定したテーブルを用意しておきます。
本来であれば、やることリストのテーブルのステータスを変えたい時は、ページのプロパティを数クリックで変更する必要がありますが、このアーカイブテーブルへドラッグアンドドロップするのみで、対象ページのプロパティをdoneへ自動変更することが可能です。
この仕組みを応用することで、新規作成時にはデフォルトでプロパティを適用することであったり、複数のプロパティを一気に変える方法が可能です。
一つのページでとてもカスタマイズされたデータベースのワークフローを構築可能です。つまり一つの目的や作業をNotion内のページ移動等で目的が完結出来ます。 実際の利用イメージはタスク管理テンプレート内の 週次表示 で確認可能です。
インラインデータベース + リンクドデータベース はうまく活用できれば、格段にNotionの優位性を見いだせる管理方法ですので是非積極的に利用していきましょう。