2026年8月5日


カスタマーサポートは、顧客からの問い合わせ対応だけでなく、顧客満足度の向上やサービス改善につながる重要な役割を担っています。一方、問い合わせ件数の増加や情報共有不足によるトラブル、対応品質のばらつきなど、運用面の課題を抱えている企業もあります。こうした課題への解決策として、情報共有基盤に活用されているのがNotionです。本記事では、カスタマーサポート部門の業務内容や課題を整理したうえで、Notionを活用した業務効率化の方法について解説します。

 

カスタマーサポート部門の業務内容と課題

カスタマーサポートは、顧客から寄せられる問い合わせや相談に対応する部門です。メールやチャット、電話、問い合わせフォームなどを通じて、製品やサービスに関する疑問やトラブルを解決する役割を果たします。
カスタマーサポートの業務は、単なる問い合わせ対応にとどまりません。顧客の声は、サービス改善や新機能開発のヒントにもなり得ます。そのため、カスタマーサポート部門は、顧客から寄せられた意見や要望を収集し、開発部門や営業部門へ共有する重要な役割もあります。
また、的確で丁寧なサポート対応は、顧客満足度の向上にも直結します。顧客との信頼関係を築くためには、迅速かつ丁寧な対応が欠かせません。こうした観点から見ても、カスタマーサポートは、企業価値を高める重要な部門といえるでしょう。

カスタマーサポートが抱える主な課題

カスタマーサポートが抱える主な課題は、問い合わせ情報が分散してしまうことです。顧客に関するさまざまな情報を、メールシステムやチャットツール、Excelなど複数のツールで管理していると、必要な情報を探すだけで時間がかかります。
また、担当者ごとに対応履歴が管理されている現場もあります。しかし、担当者が不在の場合、代わりの担当者は経緯を把握できず、顧客へ同じ質問をしなければならないケースもあります。
さらに、蓄積された問い合わせ内容を、社内で有効活用できていない場合も、同じ調査や回答作成を何度も繰り返すことになりかねません。その結果として発生しやすいのが、次のような問題です。


問い合わせ件数が増えるほど、こうした課題は深刻化していきます。そのため、情報の一元管理やナレッジ管理を仕組み化することが重要な鍵を握ります。

 

カスタマーサポートを効率化させるための留意点

カスタマーサポートの業務を効率化させるためのポイントを以下の3つに分けて解説します。

▼情報を一元管理する

カスタマーサポートを効率化するうえで、最も重要なのが情報の一元管理です。問い合わせ履歴や顧客情報、対応マニュアルが複数の場所に分散していると、確認作業だけで時間を消費してしまいます。こうした事態を防ぎ、誰でも必要な情報へすぐにアクセスできる環境を整えることが重要です。また、顧客対応の履歴を集約すれば、担当者が変更になってもスムーズな対応ができます。

▼ナレッジ共有を仕組み化する

優秀な担当者の経験やノウハウが、他のメンバーに共有されず、業務が属人化するのを防ぐ対策も必要です。よくある問い合わせや、トラブル対応方法をナレッジとして蓄積し、全員が活用できる状態を作れば、対応品質の標準化につながるでしょう。新任担当者の教育にも活用できるため、育成コストの削減効果も期待できます。

▼顧客の声を改善活動につなげる

カスタマーサポートには、顧客の生きた情報が集まります。問い合わせ内容を分析すると、製品の改善点や要望、顧客が抱えている潜在的な課題が見えてくるでしょう。これらの情報をサービス改善へ活用できれば、問い合わせそのものを減らすことも可能です。
つまり、カスタマーサポートは単なる対応部門ではなく、事業成長に貢献する情報資産の収集拠点として機能します。こうした情報管理やナレッジ共有、改善活動を実現する基盤として、注目されているツールの1つがNotionです。

 

Notionによるカスタマーサポートの業務変革

Notionは、ドキュメント、データベース、タスク、ナレッジを1つのワークスペースに集約できる情報管理ツールです。問い合わせ履歴、FAQ、対応マニュアル、改善要望などを業務フローに合わせて構造化できるため、カスタマーサポートで起こりがちな「情報が散らばる」「過去の対応を探せない」「担当者によって回答品質が変わる」といった課題を解消しやすくなります。
さらに、ビジネスプラン以上で利用できるNotion AIを使うことで、蓄積した情報を探すだけでなく、対応業務に活用しやすい形へ整理できます。過去の類似問い合わせの確認、長いやり取りの要約、顧客要望の分類、FAQや回答文の草案作成などに活用でき、担当者が毎回ゼロから情報を探し、回答を作成する負担を減らせます。
特に注目したい活用例が、カスタムエージェントによる問い合わせ対応の一次回答です。あらかじめ参照すべきFAQや対応マニュアル、回答方針を設定しておけば、寄せられた質問に対して関連情報をもとに回答案を作成できます。担当者は内容を確認・補足するだけで対応しやすくなり、対応スピードの向上や品質の平準化につながります。
実際に、ノースサンドでは社内メンバーからSlackで寄せられた問い合わせに対し、カスタムエージェントがNotionに蓄積されたFAQや関連ナレッジを参照して自動で回答し、その対応履歴をNotionへ蓄積する仕組みを構築しています。また、Notion社でもCX部門のナレッジをNotionへ集約し、Notion AIでトラブルシューティング手順を探したり、顧客への返信文を作成したりすることで、問い合わせ対応の効率化につなげています。具体的な活用事例は、記事後半で詳しく紹介します。
このように、Notionを活用することで、情報共有やナレッジ管理を最適化し、カスタマーサポート部門が抱える課題の解決が期待できます。

顧客の要望や問い合わせを一元管理

Notionを活用すれば、問い合わせ内容のデータベース化も容易です。Notionでは、問い合わせ日時や顧客名、対応状況、担当者、カテゴリーなどを自由にカスタマイズしながら管理できるため、情報の検索や共有がしやすくなるでしょう。
例えば、Notion上に「問い合わせ管理データベース」を作成し、顧客名、問い合わせ種別、優先度、担当者、対応ステータス、対応履歴、関連FAQなどの項目を管理できます。ステータスを「未対応」「対応中」「確認待ち」「完了」などに分けておけば、現在どの問い合わせが滞留しているのかをひと目で把握できます。また、問い合わせ種別ごとにビューを切り替えれば、「不具合に関する問い合わせ」「契約・請求に関する問い合わせ」「操作方法に関する問い合わせ」などを整理しやすくなります。

お問い合わせ管理DBイメージ

さらに、プロジェクトごとのタスクや資料の整理も1つの画面に集約できるため、問い合わせ対応に必要な情報をすぐに見つけられます。例えば、「同じ不具合に関する問い合わせ件数」の一覧確認や、「未対応案件のみ」の抽出も可能です。また、対応履歴も時系列で残せるため、担当者が変わっても過去の経緯を確認しながら対応でき、引き継ぎ漏れや二重対応を防ぎやすくなります。これにより、属人化の解消と業務の可視化を実現できるでしょう。

顧客の声をナレッジとして蓄積する

問い合わせ対応で得られた知見は、企業にとって重要な資産です。NotionではFAQや対応事例をWikiによって実現することができます。問い合わせ内容と回答を蓄積し、検索できる状態にすれば、同じ質問への対応時間を短縮できるでしょう。
さらに、カテゴリーやタグを活用すれば、誰が操作しても、必要な情報へ迅速にアクセスできる環境も構築可能です。担当者が増えても対応品質を維持しやすくなり、教育コストの削減にもつながります。ナレッジ共有が進むことで、組織全体の対応力向上も期待できるでしょう。

顧客サービス向上に向けた一気通貫の運用

Notionの強みは、情報の蓄積だけではありません。顧客から寄せられた要望を整理し、改善案として管理することも可能です。さらに、開発部門や営業部門と情報を共有しながら進捗を追跡できます。加えてNotion AIを活用すれば、蓄積された問い合わせ内容や対応履歴をもとに、要望の傾向を要約したり、対応履歴からFAQの草案を作成したりすることも可能です。例を挙げると、次のような流れを1つのワークスペースで運用できます。

  1. 顧客からの要望を登録

  2. Notion AIを活用して要望を分類・要約する

  3. 改善施策を検討

  4. 実施状況を管理

  5. 効果を振り返る

このワークフローを各部門で共有できる形で残せば、顧客の声が単なる問い合わせ履歴ではなく、サービス改善につながる組織的な資産へと変わります。また、Notion AIによって要望や対応履歴の整理・要約を効率化できるため、担当者は分析や改善施策の検討といった、より付加価値の高い業務に時間を使いやすくなります。
蓄積した情報を社内の「ナレッジ」として活用すれば、問い合わせ対応の効率化だけでなく、サービス改善や新機能開発のヒントにもつなげられます。顧客の声を継続的に整理・分析できる状態を作ることで、カスタマーサポートを起点に改善活動を進めやすくなるでしょう。

 
 
 

カスタマーサポートにおけるNotion・Notion AIの活用事例

ノースサンドの事例

ノースサンドでは、社内メンバーからSlackで寄せられたNotionの使い方や機能に関する質問をカスタムエージェントが受け取り、Notionに蓄積された社内FAQや関連ナレッジを参照して回答を自動で作成し、Slack上で返信する仕組みを構築しています。社内の担当者が毎回情報を探して回答文を作成する必要がないため、社内問い合わせへの初動を迅速化できます。
社内から寄せられた質問とカスタムエージェントの回答はNotionのデータベースへ自動的に蓄積され、対応履歴として一元管理されます。既存のナレッジだけでは回答できない質問は社内の担当者へ引き継ぎ、担当者が作成した回答を新たなFAQとしてNotionへ追加します。カスタムエージェントがそのFAQを次回以降の回答に活用することで、社内問い合わせへの対応を重ねるほど自動回答できる範囲が広がり、回答品質の平準化と担当者の負担軽減につながります。

Notion社の事例

Notion社では、カスタマーエクスペリエンス(CX)部門のナレッジ管理プロセスをZendeskからNotionへ移行しています。Notionに関するさまざまなテーマを扱う数百件のページをデータベースに集約し、タグやビューを使って整理しています。また、ページの権限や検証機能を活用することで、情報の信頼性と鮮度を管理しています。
CX部門のナレッジをNotionに集約したことで、担当者はNotion AIを使って必要な情報を検索できるようになりました。Notion内のページだけでなく、Slackの会話なども横断して検索でき、参照元を確認しながら必要な情報へアクセスできます。また、文法の改善や翻訳にもNotion AIを活用しています。
移行後、Notion社ではナレッジベースの利用率が73%向上し、チーム満足度が19%向上したほか、余分に使用していたツールを75%削減したと公表しています。ナレッジを一元化し、情報の検索性、信頼性、鮮度を管理することで、CX担当者が必要な情報を見つけやすくなり、より迅速な判断につながっています。
この事例から、Notionはカスタマーサポートに必要なナレッジを整理・共有し、AIで活用できる環境を構築するための有効な選択肢といえるでしょう。

参照:https://www.notion.com/blog/how-notion-uses-notion-building-a-modern-flexible-knowledge-base

 

Notionを活用したカスタマーサポートの効率化支援はノースサンドへ

カスタマーサポート部門では、顧客管理やナレッジ共有など多岐にわたる業務が発生します。これらの情報を適切に管理できなければ、対応品質の低下や業務負荷の増加につながりかねません。
しかし、これまで紹介してきたNotionを活用すれば、問い合わせ情報の一元管理、ナレッジの蓄積、顧客の声を活用したサービス改善を1つの基盤で実現できます。もちろん、効果を高めるためには、自社の業務に合わせた設計と運用、活用の定着が重要なポイントになります。ノースサンドでは、Notionの導入支援だけでなく、業務設計や運用ルール策定、定着化まで一貫してサポートしています。加えて、以下のようなサービスも提供しています。

  • 日本円での請求書払いに対応(為替変動でコストに影響がない)

  • 社内のNotion利用を定着化させるためのトレーニングを提供

  • 企業向けのNotion高機能テンプレートを配布

  • 日本語によるチャットサポートを完備

「問い合わせ対応が属人化している」「FAQが活用されていない」「顧客の声を改善活動に活かせていない」といった課題をお持ちの場合は、ぜひノースサンドへご相談ください。

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