EC事業のさらなる進化に挑むコクヨ
情報共有基盤からAI駆動開発まで、Notionの活用を拡大
-コクヨ株式会社-
文具・オフィス家具メーカーとして広く知られるコクヨ株式会社。EC事業の高度化を進めるコクヨでは、システム開発における情報共有のツールとしてNotionを導入。2024年7月の利用開始以降、Notionの活用シーンを大きく広げ、現在では情報共有だけでなくプロジェクト管理にも利用されています。そして、Notion MCPを介したAIとの連携やAI駆動開発にも着手し、開発業務の効率化と組織全体の生産性向上を実現しています。
小谷 侑哉 氏(左)
ビジネスサプライ事業本部
エンジニアリングユニット
VPoE
上井 沙也香 氏(右)
ビジネスサプライ事業本部
エンジニアリングユニット
サマリ
システム開発の情報共有基盤としてNotionの活用を推進
Notionをプロジェクト管理にも活用し、課題や進捗状況を可視化
Notion MCPとClaudeを連携し、AIによる業務効率化を加速
Notionを起点にAI駆動開発を進め、人はレビューや判断に注力
EC事業のさらなる進化に向けて: システム開発の情報共有基盤にNotionを採用
デジタル化が加速するなか、ECサイトの役割は大きくなっています。また、ECサイトの運営は単なる商品のオンライン販売にとどまりません。購買業務をいかに効率化し、顧客のリピート化を図るためにより良い購買体験を提供できるかが焦点になっています。
国内大手の文具・オフィス家具メーカーのコクヨも、こうした市場ニーズの変化を捉え、EC事業の高度化に注力してきました。オフィス用品通販サービス「カウネット」、購買管理システム「べんりねっと」など、最適な購買体験を提供し購買プラットフォームを進化させています。
コクヨでECサイトを中心としたシステム変革を担っているのが、ビジネスサプライ事業本部 エンジニアリングユニットです。同ユニットは、これまで内製化のためのエンジニア組織として、ECサイトを主軸にさまざまなシステム開発を進めてきました。
そして、スムーズな業務推進に不可欠なツールが、ドキュメント、タスク管理、プロジェクト管理といった多彩な機能を備える「Notion」です。ノースサンドをパートナーとしてNotionを導入したコクヨは、サポートを受けながらその活用シーンを拡大させてきました。
ビジネスサプライ事業本部 エンジニアリングユニット VPoEの小谷 侑哉 氏は、その様子について次のように話します。
「2024年7月から、Notionをシステム開発における成果物や設計書の共有基盤として利用しており、その活用範囲を段階的に広げてきました。その実績として、過去1年間でNotionのユーザーは67名から170名弱にまで増加しています。また、作成されたページ数も約4万7,000ページからおよそ13万ページにまで増えるなど、部内にその利用が浸透しています」(小谷氏)
プロジェクト管理にNotionを活用: 課題や進捗を可視化し、円滑なタスク推進を実現
コクヨでは、Notionを情報共有だけでなくプロジェクト管理でも活用しています。Notionはドキュメントやタスク、議事録などを簡単にプロジェクトに接続し、すべてを1カ所に保管して管理することが可能です。「ドキュメントをNotionに集約すれば、プロジェクトの工程やタスク管理にも活用できると考えたのが始まりです」と小谷氏は話します。
当初は、部門内で「スプレッドシートで管理するのと何が違うのか」という議論もありました。そんな中、関係者向けのNotionの説明会を開催したり、Notionで社内ナレッジポータルを構築したりするなど施策を展開。取り組みが功を奏し、今ではECサイトの大規模開発プロジェクトをはじめ、開発業務の管理基盤へとNotionの役割は広がっています。
ビジネスサプライ事業本部 エンジニアリングユニット 上井 沙也香 氏は、Notionの役割とその効果について次のように話します。
「Notionをプロジェクト管理に利用することで、特に効果を感じているのが課題管理です。以前は、スプレッドシートで課題を管理することが多くありました。そのなかでは、タスクの進捗のレポート化にも、都度スプレッドシートの情報を手作業で集計しまとめ直す必要がありました。一方Notionでは、それらの情報がダッシュボードに集約されるため、進捗報告にかかる工数を大幅に減らせています」(上井氏)
「プロジェクトの状況をリアルタイムに把握できるようになったこともメリットです。期限が近づいた課題に色を付け、さらに期限を超えたら赤く表示させることで、遅延などの問題を日々確認できます。これにより、いち早く対策が打てるようになり、課題解決までのリードタイムも短くなっています」と小谷氏も評価します。
課題ごとの期限と進捗状況を一覧で確認できる課題管理表です。
プロジェクト全体の進捗状況をひと目で把握できるダッシュボードです。
Notion MCPでAIとの連携を強化: Claudeを併用し、複数ツールを横断することで業務を効率化
多くの企業で業務へのAI活用が急速に広がるなか、コクヨでもその取り組みが進んでいます。具体的には、利用に関するガイドラインを設け、全社員が標準的に活用できるAI環境を整備しました。このガイドラインに準拠していれば、各部門の判断で現場に必要なAIツールを導入することも可能です。こうした全社的な取り組みに加え、NotionのAI機能の進化も、同社のAI活用の幅を広げています。
小谷氏は「これまでも『Notion AI』を活用し、ページの編集や修正、検索、テンプレート作成などの業務を効率化してきました。この流れを大きく進展させたのが、『Notion MCP』の登場です。Claudeとスムーズに連携できるようになり、活用の幅が一気に広がりました」と話します。
現在では、Claudeに加え、GitHubやFigmaなどもNotionと連携させています。これにより、複数のツールを横断する作業も大幅に効率化できました。例えば、ClaudeがNotion上にあるドキュメントを参照し、それをもとにGitHubにソースコードをプッシュします。また、GitHubのソースコードを調査した結果をNotionに戻す使い方もしています。このほか、Claudeのスケジューリング機能やエージェント機能を利用し、Notion上のドキュメントの定期更新を行っています。このように、コクヨでは日常的な作業をAIに任せられるようになりました。
さらに、Notionの自律型AIチームメンバー機能である「カスタムエージェント」の利用も進んでいます。「今では、Claudeをハブとして複数のツールを横断して作業しています。加えて、Notion内の作業をカスタムエージェントに任せるなど、業務に応じて使い分けています」と小谷氏は説明します。
コクヨではAIにNotionの情報を活用させるため、コンテンツの登録方法にも工夫を加えています。「例としては、開発成果物についてはテンプレートを用意し、誰が作成しても一定の形式を保てるようにしました。また、AIに必ず読み取ってほしい情報はプロパティとして設定しています。そして、関連する情報についてもリレーションを設定して、必要な情報をたどれるようにしています」と上井氏は説明します。また、AIが古い情報を参照しないように注意をしています。さらに参照すべき情報の場所を指定したり、それをスクリプト化したりするといった工夫も凝らしています。
Notionの情報をAIが活用できるように整備: AIエージェントの活用がさらに加速
開発成果物の記載項目や形式を統一するためのテンプレートです。
テンプレートを使い、決まった項目に沿って情報を整理した開発資料の例です。
このほか、テンプレートそのものをNotion AIに作らせることもあるといいます。「プロパティや情報を自然言語で指示すれば、イメージした型が生成されるので重宝しています」と上井氏は評価します。
同社では、今やNotion AIも業務を円滑に進めるうえで不可欠な存在となっています。小谷氏は、「2026年7月だけで500回以上Notion AIのエージェントが動作し、タスクのチェックやリマインド、設計書のレビューなどを行っています。人が行っていた作業の多くがAIエージェントに代替されるようになっています」と語ります。
Notionを起点にAI駆動開発を推進: 人はレビューや判断などの創造的な業務に注力
AI活用は、コクヨのシステム開発にも大きな変革をもたらしました。まさに、Notionを活用した「AI駆動開発」の躍進です。「2025年にコーディングエージェントが登場し、AI活用は対話により支援を受ける段階から、タスクの依頼や実行まで任せる段階へと進みました。私たちもエンジニアの役割を、自らコードを書くことから、AIにタスクを依頼し、成果を引き出す方向へ転換させました」と小谷氏は話します。
「AIコーディングは多くの企業で行われていますが、私たちにとって重要なことは、開発スピードを上げることだけではありません。作業時間を圧縮することで、人がよりクリエイティブな業務に時間を使えるようにすることが一番の狙いです。つまり、要件定義やユーザーヒアリングから課題を見つけ、コクヨらしさをプロダクトにどう反映するか。そうした社員が頭を使うべき領域に時間を割くための手段としてAI活用を位置付けています」(小谷氏)
コクヨでは、Notionを活用した現在の開発フローを次のように定めています。はじめに人がNotionの情報をもとに、Claudeへ設計書の作成や実装を依頼します。Claude CodeはNotion MCPを通じて設計書を読み込んで開発を実行。さらに、作成したコードをClaude自身がレビューし、問題がなければGitHubにソースコードを置きプルリクエストを作成します。その後、複数人でレビューし、修正が必要ならClaudeに指摘内容を伝えて再度修正させるという流れを実現しています。
さらに、Claudeと人によるレビューの内容を知見としてNotionに蓄積することで、別のプロジェクトにも転用できるナレッジにしています。
AIが作成した成果物への指摘を蓄積し、ほかの開発にも活用できるようにしたNotion上のナレッジです。
「Notionのドキュメント作成やコーディング、GitHubへの反映といった作業はAIに任せます。これにより、生成された成果物を人がレビューするという業務サイクルが回せるようになりました。従来は一つひとつの作業を人が手作業で完結させていましたが、複数のタスクを並行して進められるようになっています。AIが作業している間に別の成果物を確認するなど、人の役割も成果物のレビューや判断へと移りつつあります」(上井氏)
「レビューをボトルネックに感じることが少なくなりました。このサイクルを回し続け、さらにスピードと品質の両方を高められるようになると期待しています」と小谷氏も続けます。
Notionの積極的な活用により、ドキュメントを「蓄積する」段階から「働かせる」段階へと移行したコクヨ。小谷氏は、現在のNotionについて社内の情報を組み合わせて活用し、生産性の向上につなげるツールへと役割が変化していると話します。
今後はチームのタスク管理や現場の工程管理など、情報を活用して業務そのものの生産性を高める用途を広げていきます。最後に両氏は、Notionの活用を検討している企業に対して次のようにメッセージを寄せてくれました。
「Notionを早く使い始めるほど、その分情報も早く蓄積され活用シーンも広げられますので、まずは一歩踏み出していくことが重要です。そして、導入後はリリースされる新機能も含め、日頃からNotionに触れることをおすすめします。これにより、何か業務に課題が生じた際も、『Notionのあの機能を使えば実現できそうだ』といった発想の引き出しが増えていきます。課題解決のための選択肢がぐっと広げられるようになるでしょう」
Notionの導入ならノースサンドへ
すでに多くの大企業がNotionを利用し、情報管理やプロジェクト管理を進め、組織の成長の礎としています。ノースサンドでは1ヶ月間無料で導入をサポートしており、以下のようなサービスを実施しております。
1ヶ月間無料でエンタープライズプランを利用可能
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