【広告代理店向け】Notionで実現するデジタルマーケティングの業務効率化・情報共有

2026年4月25日


デジタル広告の運用は、媒体・施策・関係者が増え続け、広告代理店の業務負荷も高まりやすい状況です。情報が分散すると、案件の進捗把握や提案準備に時間がかかり、提案の質にもばらつきが出やすくなります。

この記事では、広告代理店のNotion活用例として、特に「案件トップページ+関連DB」の設計・運用イメージを軸に、業務効率化と情報共有を進める方法を解説します。

デジタルマーケティングを扱う広告代理店の仕事

広告主に代わってテレビや新聞、Webなどの広告枠を確保し、広告企画や制作、運用を担う広告代理店。近年では、デジタル領域の媒体や施策の種類が増え、関係者も多くなりやすいため、案件の進行と情報共有が複雑になりがちです。はじめに、代理店業務の全体像と、デジタル運用で負荷が増えやすいポイントを整理していきましょう。

広告代理店の業務や役割

広告代理店は、大きく「総合」「専門」「ハウスエージェンシー」に分類されます。総合広告代理店はテレビからデジタルまであらゆる広告媒体を扱い、専門広告代理店はインターネット広告や求人など特定の業界・分野に特化した媒体を扱います。ハウスエージェンシーは特定の企業や組織の広告を専属で取り扱う形態です。

これらは代理店の「形態」の違いですが、いずれの場合も、案件は複数の職種が連携して進める点は共通しています。

そのため、広告代理店の仕事は関係者が多く、情報共有の難易度が上がりやすいのが特徴です。営業(アカウントエグゼクティブ)がクライアント窓口を担い、マーケターが戦略を設計し、クリエイターが制作を進め、メディア担当が媒体調整を行います。こうした分業体制では、情報が分散すると認識ズレや対応遅れにつながるため、全員が同じ情報を参照できる状態が重要になります。

急成長するデジタル広告市場と代理店の現在地

インターネット広告は、日本の広告市場で見過ごせない存在です。電通が発表した「日本の広告費」調査でも、インターネット広告の媒体費が年々増えていることがわかります。多くの広告代理店でデジタル媒体の扱いが増える一方で、なかには24時間365日データが動くため、常に最適化が必要な広告もあります。運用型広告などがそれにあたりますが、現場の運用負荷をいかに減らし、いかに「思考」の時間を増やすかが課題となっています。

出典:電通「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費」

広告代理店の業務について回るリスクと課題

クライアントから信頼されるパートナーであり続けるためには、質の高い企画提案が不可欠です。しかし、現場では提案の質を左右する「情報の扱い」に課題を抱えているケースがあります。広告代理店の業務における課題を、「提案・戦略設計」「クライアントとの信頼関係」「社内体制・運営」の3つの観点から詳しくみていきましょう。

提案・戦略設計の課題

過去の成功事例や失敗の要因が、担当者の頭の中にしか残っていない場合、提案の質にムラが生じます。いわゆる担当者の業務の属人化が進んでいる状況で、新規案件のたびに一からリサーチを始めるのは効率が悪くなってしまいます。「以前、似た案件で何が効果的だったか」を、業種・媒体・施策タイプ・成果指標(CV、CPA、ROASなど)・学び(再現条件)といった項目で整理しておき、必要なときに瞬時に参照できる仕組みがあれば組織としての提案力を底上げすることができます。

クライアントとの信頼関係に関する課題

業務全体の透明性が欠如していると、クライアントとの信頼関係に亀裂が入る恐れがあります。例を挙げると、広告が意図しないサイトに掲載される「アドベリフィケーションの不徹底によるリスク(ブランド毀損など)」です。こうした事態への対応や共有が遅れてしまうと、広告代理店としての誠実さを疑われかねません。また、数値報告のみで終わる希薄なコミュニケーションも企業間の契約において、解約を招く大きな要因となります。

社内体制・運営の課題

長時間にわたる労働や煩雑化しがちなワークフローも大きな課題となります。チャット、メール、共有サーバーなどに情報が散在していると、検索だけで膨大な時間を浪費してしまいます。こうした環境では、社内メンバーへのナレッジ継承も進まず、さらなる属人化を招くという悪循環に陥りかねません。

クライアントに最適な提案をするための4つのルール

上で明らかになった課題を解決し、クライアントに選ばれ続ける広告代理店になるためには、以下の4つを押さえることが重要です。

1
クライアントのビジネスを正しく理解する
顧客・競合・自社を踏まえて市場環境を整理し、解決すべきポイントを特定します。
2
課題の“根っこ”を見つけて、打ち手に落とし込む
表面の問題だけで終わらせず、原因を分解して漏れなく整理し、提案の精度を上げます。
3
数字で語れる提案にする
定性的な課題をKPIに落とし込み、データに基づくPDCAと改善提案につなげます。
4
仮説とシナリオで提案を組み立てる
「どう解決するか」を筋道立てて示し、状況に応じて最適な解決シナリオを描きます。

これらのスキルを個人の資質に頼らず、企業・組織の仕組みとして定着させることが、業務効率化と提案力向上の両立につながります。そして、こうした仕組みを定着化させるためには、社内の情報共有とナレッジ活用が鍵を握ります。

広告代理店 Notion活用で、社内の業務効率化と情報共有を進める

Notionは、ドキュメントとデータベースを一つの場所で扱えるツールです。情報が散在しやすい代理店業務でも、案件の進捗、やり取り、判断の根拠をまとめて管理できます。

案件管理DBを設計するなら、「誰の・何の案件が・いまどの段階で・次に何をするか」が迷わず追えるように、情報の粒度と入力ルールを先に揃えておくことが重要です。

運用フロー例:週次レポ作成〜クライアント共有までをNotionで回す

「数値はスプレッドシート、所感はSlack、資料はドライブ」になっていると、毎週の報告が“集める作業”になりがちです。Notionに置き場と手順を寄せると、更新が早くなり、認識ズレも減ります。

まず、案件ページに「今週の数値」テーブル(指標、前年差/前週差、メモ)を置き、数値の置き場を固定します。

次に、「良かった点」「悪化要因」「来週の打ち手」「リスク/相談」といった見出しをテンプレ化し、所感を毎週同じ粒度で記入できるようにします。

さらに、入札/ターゲティング/クリエイティブ変更などの更新履歴をタイムラインで記録しておくと、数値変動の説明根拠が残り、報告がスムーズになります。

最後に、共有用ページ(読み取り専用)を用意し、案件ページから要点だけを転記してリンクで渡す運用に揃えることで、「どれが最新?」問題を防げます。

ページ/DB構成の一例:案件トップページに“必要な情報”を集約する

案件ごとに「トップページ+関連DB」を固定すると、誰が見ても迷いません。

案件トップページ(1ページ)には、まず案件の全体像が分かる情報を集約します。たとえば、クライアント/目的/KPI/期間/体制などの案件概要に加えて、今週の結論(状況を3行で)と担当者付きの今週のアクションを置きます。あわせて、重要リンク(広告管理画面、GA4、Looker Studio、計測/タグ、入稿シート)と、「いつ・何を・なぜ決めたか」が追える連絡・決定事項も同じページにまとめます。

さらに必要に応じて関連DBを紐づけます。クリエイティブレビュー(制作物、レビューコメント、差し戻し履歴、最終版リンク)、施策ログ(変更内容、実施日、狙い、結果、学び)、ナレッジ(勝ちパターン/失敗要因、再現条件、注意点)など、運用で“後から探す情報”をDB化しておくと、確認コストが下がりやすくなります。

また、共同編集が前提のため、情報が個人に閉じにくく、引き継ぎやチーム連携もしやすくなります。さらにNotion AIを活用すると、過去資料の要点整理や文章案の作成など、提案準備の作業時間を短縮できます。

Notionを活用するメリットは、散在していた情報を一元化し、状況を見える化できることです。たとえば、運用の進捗、運用メモ、振り返り資産などの情報を同じ場所にまとめて管理できます。

情報をまとめることで、広告運用の最適化やクリエイティブ管理の精度が上がり、社内ナレッジも活用しやすくなります。

さらに、Notionと外部ツールを連携させることができ、データ収集・集約の自動化も実現できます。手作業によるミスのリスクを排除し分析業務の精度を高めることができます。

これに加えて、Notion AIを利用すると、膨大な過去資料から特定の成功事例を瞬時に抽出できます。このほか、広告のキャッチコピー案の作成や、複雑な議事録の要約も可能です。たとえば、過去の提案書や議事録をNotion上にまとめておき、Notion AIに「この案件に近い成功事例の要点を3つ抽出して」「次回提案用のキャッチコピー案を10個出して」と入力すると、要点整理や案出しのたたき台が生成されます。生成された内容をベースに、チームで表現や根拠を調整しながら提案書に落とし込むことで、作業時間を削減しつつ、検討と改善に時間を回せます。

Notion AIのプロンプトは、用途に合わせて粒度を変えるのがポイントです。たとえば以下のように「入力(前提)」と「出力(ほしい形)」を指定すると、実務に乗りやすくなります。

用途別プロンプト例

業務シーン Notionでやること 期待できる変化
案件の立ち上げ 要件、提案方針、体制、TODOを
1ページに集約する
抜け漏れが減り、引き継ぎもし
やすくなる
運用・進行管理 進捗、更新履歴、論点をタイム
ラインやDBで可視化する
認識ズレと確認コストが減る
レポート作成 数値の置き場を統一し、定例用
のテンプレで更新する
作成が早くなり、比較もしやす
くなる
ナレッジ蓄積 勝ちパターン、失敗要因、媒体メ
モをDB化して検索できるように
する(例:業種/媒体/施策タ
イプ/成果指標(CV・CPA・
ROASなど)/学び・再現条件)
提案の再現性が上がる
提案準備(Notion AI) 過去資料の要点抽出、たたき台
作成、議事録要約を効率化する
作業時間を減らし、思考に時間
を回せる

使いこなせれば、戦略立案のスピードをさらに加速できるでしょう。

業務に沿ったNotionの有効活用とナレッジの継承

Notionは、広告代理店における個々の部門やセクションが持つ専門性を融合させる「場」として機能します。営業、マーケティング、クリエイティブ、メディア担当など、それぞれの職種が持つナレッジをNotion上で共有できます。これにより、シームレスな情報連携ができるようになり、会社としてもナレッジを有効活用することができます。メディア担当が持つ最新の媒体情報を、営業が即座に提案に活かすといった動きも可能になります。

また、広告出稿における厳格なスケジュール管理も、Notionのタイムライン(ガントチャート)機能で一括管理が可能です。さらに、広告の効果測定データからROI(投資対効果)を算出する仕組みを採り入れれば、客観的な数値に基づく次の一手の最適な提案が可能になるでしょう。

用途 プロンプト例(そのまま使える形)
成功事例の抽出
(提案準備)
このクライアント(業種:◯◯、媒体:◯◯)に近い事例を過去資料から探し、成果指標
(CV/CPA/ROAS)と打ち手、学びを3件まとめて。
改善提案のたたき台 直近レポートの数値と所感を貼るので、課題仮説を3つ出して。各仮説に対して次の1週間
で試せる打ち手を2つずつ提案して。
定例議事録の要約 この議事録を、決定事項・未決事項・担当者付きアクションに分けて要約して。次回まで
の宿題だけを最後に箇条書きでまとめて。
レポート文章の整形 この週次レポートのメモを、クライアント向けの報告文(300〜400字)に整えて。専門用
語は必要最小限にして。
キャッチコピー案
の生成
訴求軸(◯◯)とターゲット(◯◯)を前提に、見出し案を15個。トーンは『信頼感』『端
的』で。NGワードは◯◯。

広告代理店の業務効率化に最適なNotionの導入や伴走支援はノースサンドへ

生成AIの台頭や、プライバシー保護規制に伴うデータ活用の変化に伴い、デジタル広告の世界は、今後さらに複雑さを増していくと予想されます。そのため、広告代理店にとって業界の動向やトレンドを収集したうえで、クライアントに最適な提案ができる仕組みづくりが必要です。

Notionは、単なる業務効率化にとどまらず、クライアントへの最適な提案をはじめ、さまざまな戦略の中核を担えるツールです。ノースサンドでは、お客様企業の状況を把握し、Notionの導入から運用、活用定着まで幅広く支援しています。また、日本円での請求書払いに対応しており、コストが為替で変動することもありません。

加えて、以下のサービスも実施しています。

  • 社内のNotion利用を定着化させるためのトレーニングを提供

  • 企業向けのNotion高機能テンプレートを配布

  • 日本語によるチャットサポートを完備

複雑化する広告業界では、クライアントに対してよりスピーディで最適な提案が欠かせません。一歩先を行く広告代理店の業務の仕組みづくりを検討されているなら、ぜひノースサンドへご相談ください。