建築設計や不動産業界における
社内管理システム選定の最適解

2025年8月14日


建築設計や不動産管理の現場では、担当する現場の的確なプロジェクト管理が基本になります。これまでは、紙ベースで図面管理や物件管理をしていた建築設計事務所やハウスメーカーも多くみられました。しかし、現場の数や関わる人員が増えるにつれて、その管理は煩雑化していく傾向にあります。こうした背景のなかで取り組みが進んでいるのが、プロジェクト管理を含む社内管理システムの整備です。本記事では、建築設計業界や不動産業界特有の課題に対し、Notionによってどのように解決できるのか、事例を交えてご紹介します。

はじめに

建築設計業務や不動産管理業務における情報共有の落とし穴

現在、建設業界や建築設計の分野では、建築物の設計から施工、維持管理までのライフサイクル全体を管理するBIM(Building Information Modeling)の定着化や、AI技術の進化への対応、省エネ基準への適合化の義務付けといった法改正への対応に追われています。また、不動産業界では、物件管理や社内の情報共有においてスムーズにいっていないケースもあるでしょう。さらに、人材不足や技術の継承など、多くの業界に共通する経営課題も避けて通れません。こうした背景から、建築・不動産業界では、業務のデジタル化(DX)が急務となりつつあります。

紙ベースの業務における5つの問題

建築設計業界や不動産業界では、紙ベースの業務で凌いでいる企業も少なくありません。しかし、紙ベースでの業務では、以下のような問題が発生するおそれがあります。

1.図面・資料の紛失・劣化リスク

紙の図面や書類は、一度紛失すると復元が困難になります。さらに、長期保管によって劣化したり、誰がどこに保管しているか、所在が分からなくなったりするリスクが潜んでいます。

設計図面や契約書の更新履歴を紙で管理する場合、どれが最新版なのかが判別できなくなり、チームや部門で混乱をきたすリスクがありますが。複数人が異なるバージョンを見て作業を行うと、現場との整合性がとれなくなってしまうこともあります。

2.バージョン管理がしきれない

紙の資料は物理的に回覧・受け渡しをする必要があるため、リアルタイムでの共有が難しく、作業の遅延や、確認ミスが発生しやすくなります。また、プロジェクトやチームのメンバーを把握しにくく、メンバーの変更があった場合もタイムラグが発生し、伝達しにくい傾向にあります。

3.情報共有に時間がかかる

大量の紙資料を保管するためには、専用の棚や倉庫が必要になります。事務所スペースを圧迫するほか、管理業務にも時間と人手をとられるため効率が低下してしまいます。そして、管理には別で台帳を作成して行うなど、工数が増える傾向にあります。

4.保管スペース・管理コストの負担

紙資料で運用している場合、基本的には事務所にいないと確認できません。外出先や現場での確認・修正ができず、対応の遅れや二重の手間が発生する可能性もあります。

5.テレワーク・外出先での対応が難しい

建築設計や不動産管理の業務に適した社内の情報管理システムの条件とは

費用対効果の高いデジタル化には、建築設計や不動産管理の業務に合った情報管理システムを見極めることが重要です。

建築設計や不動産管理の業務では、扱う情報の種類が多岐にわたるため、すべての情報を整理し、スムーズに共有・管理できるシステムが求められます。属人化や伝達ミスを防ぎ、業務効率を高めるためには、以下のような機能を備えた情報管理システムが理想的であるといえます。

物件管理機能とは、顧客情報、物件の基本データ、各プロジェクトの進捗状況、スケジュール、担当者の割り振りなどを一元管理できる機能です。複数の関係者が必要な情報をリアルタイムで把握しやすくなり効率的な管理が期待できます。各作業やタスクの優先順位も明確になるため、業務の質も向上していきます。

物件管理機能

図面データの整理と共有

常に最新情報に基づいて業務を進めるためには、データの利用者や管理者を明確にし、設計に関わる多様な図面をデジタルで管理できる環境が求められます。バージョン違いによる混乱を避けるためにも、意匠図・構造図・実施設計図は一元化し、更新履歴や閲覧履歴が残せる仕組みが望ましいでしょう。

現場やプロジェクト単位で、設計図に付随する各種書類(契約書、提案資料、設計図面、建築確認申請書など)が整理・保管できるシステムも欠かせません。

関連書類による一元管理が実現できれば、必要なときに必要な情報をすぐに引き出すことができ、業務の質が向上します。必要な情報を検索できる機能の精度も重要なポイントです。探している書類が見つからず作業や業務が止まる、あるいは探すのに多くの時間がかかるといった事態も避けられるでしょう。

関連書類の一元管理

支払い漏れや重複請求などのトラブルを防ぐためには、金額や支払期日、過去の取引履歴といった財務データを管理できる機能も欠かせません。特に、見積書と請求書がプロジェクトごとに連動して管理できれば、経理部門との連携もスムーズになります。こうしたデータが厳格に管理されていれば、誰が・何を・いつ請求したかが不明確になることもありません。

見積書・請求書の管理機能

建築設計業務や不動産管理業務のお悩みをNotionで解決

                                                                                                                               
紙ベースの業務における5つの問題Notionの活用で解決できること
① 図面・資料の紛失・劣化リスク図面や資料はデジタル化し、Notion上で一元管理されるため、紙ベースで起こりがちな物理的な紛失や劣化を防ぐことができます。
② バージョン管理がしきれない図面や資料は、Notion上で常に最新のバージョンを管理することができます。どの図面・資料が最新なのかを心配するリスクを回避することができます。
③ 情報共有に時間がかかるプロジェクトの進捗情報や関連する図面・資料がNotionに一元化されるため、メンバーがリアルタイムに情報を確認することができます。また、プロジェクトごとにアクセスできるメンバーの権限管理ができるため、情報共有がスムーズに行えるようになります。
④ 保管スペース・管理コストの負担図面や資料はデジタル化されNotion上で管理されるので、物理的な保管スペースは不要になり、管理コストも削減されます。
⑤ テレワーク・外出先での対応が難しいクラウドベースのNotion上で、プロジェクトの進捗状況や図面・資料が管理されるので、プロジェクトメンバーは外出先や現場で必要な情報を得ることができます。また、スマートフォン/タブレット/PCとさまざまな端末で利用できます。

建築設計業務や不動産管理業務のデジタル化には、業務のかたちに合わせてシステム化できるNotionが有効です。Notionは、基本的に今まで行っている業務の流れを踏襲し、作業の簡略化やチームや部門との連携、そしてシームレスな情報共有を実現するプラットフォームです。

特に、「ナレッジ管理」や「プロジェクト管理」はNotionが得意とする分野です。Notionを導入すれば、プロジェクトの規模が大きくなっても、情報共有や作業が煩雑になることはありません。また、リモート勤務先・現場・出張先など、どこにいても情報の確認を行うことができます。

そして、先に述べた紙ベースの業務にまつわる5つの問題は、Notionによって以下のように解決することができます。

建築設計事務所におけるNotionのユースケース

建築設計事務所では、小規模な住宅から大規模な公共施設や空港ターミナル、スタジアムまで、多種多様な建築物の設計を行います。

ある建築設計事務所では、社員の規模も大きく、全国の支社やプロジェクトチームが連携して業務を進める必要がありました。そして、情報共有の仕組みは業務の生命線ともいえる環境でした。しかし、従来の社内システムでは以下のような課題を抱えていました。

  • 情報が部門・チームごとに分散しており、必要な資料や手順書、ナレッジの場所がわかりにくい

  • ドキュメントの管理が一元化されておらず、重複や最新版の混同が起こりがちで業務が非効率

  • 若手社員が必要な情報にアクセスするまでに時間がかかり、生産性の低下や教育における効率が下がっていた

このような状況を改善するため、情報基盤を刷新する手段としてNotionの導入を決定しました。Notionの導入にあたり、この建築設計事務所が採用したのは、各部門に「Notion推進担当者」を配置し、段階的に社内マニュアルやプロジェクト共有情報を移行していく方法です。さらに、従業員が自ら調べられるよう、研修や使い方のハンドブックもNotion内に整備しました。

その結果、Notionを社内の「情報ハブ」として活用する体制が整い、部門を超えた情報共有の効率が大幅に改善したのです。

例えば、プロジェクトの進行に必要な「申請手順」や「業務フロー」を1カ所にまとめることで、社員の間で質問や確認の手間が削減され、スムーズな業務遂行が可能になりました。また、ドキュメントのバージョン管理がしやすくなり、「最新情報が、どこにあるかわからない」といったトラブルも解消できたのです。

Notion導入における最大のメリットは「属人性の排除と再現性のある業務体制」の確立です。知識やノウハウが属人化することなく蓄積・共有されるようになったことで、ベテランと若手の情報格差が縮まり、誰もが同じスタートラインで仕事を進められる環境が整いました。

加えて、業務フローの透明化は、社内コミュニケーションの活性化にもつながっています。Notionの導入は、単なるツールの導入にとどまらず、企業文化の変革にもつながる成果をあげました。このユースケースは、複雑な業務を抱える建築業界において、柔軟で統合的な情報管理システムとしてのNotionの可能性を示しているといえるでしょう。

Notion画面の例

建築設計業界や不動産業界の業務改善を実現するノースサンド

建築設計業界や不動産業界では、お客様とのやりとりにおいて、非常に多くの書類を取り交わす必要があります。特に、建築や不動産は、1件あたりの金額規模が大きい取引であるため、ドキュメント管理やナレッジ管理にも厳格さが求められます。しかしNotionであれば、建築業界や不動産業界の業務に直結し、プロジェクト管理やナレッジ管理をシームレスに行うことができます。

また、Notionの導入から活用の定着化まで支援を行うノースサンドでは、エンタープライズプランの企業を対象に、さまざまなお客様のサポートを行っています。ノースサンドなら、日本円での請求書払いも可能で、為替でコストや支払いが変動する心配もありません。加えて、以下のようなサービスも実施しております。

  • 1カ月間無料でエンタープライズプランを利用可能

  • 社内に浸透して行くためのトレーニングを提供

  • 企業向けの高機能テンプレートの配布

  • 日本語のチャットサポート

  • 専任のカスタマーサクセス

建築設計業界や不動産業界における、さまざまな業務効率化をご検討されているのであれば、Notion導入・活用のプロであるノースサンドにご相談ください。建築設計業界や不動産業界が抱える課題に対して、より最適な使い方をご提案いたします。