チームの情報共有で大切なのは?
〜フロー情報とストック情報の概念とツールの使い分〜
2022年12月21日
チームでの情報共有、スムーズに行えていますか?
情報共有が正しく行われていると業務が円滑に進められます。チーム連携の鍵は情報共有だと言っても過言ではありません。ただし、情報の内容によって適切な管理・共有方法があり、このことを知っておかなければチーム連携がうまくいかない可能性が高くなってしまいます。
実は、業務で発生する情報は「フロー情報」と「ストック情報」の2種類に分けられます。
本記事では、この2種類の情報の定義や特徴について実例を交えつつ、それぞれのメリットデメリットなどについても解説していきます。
記事の後半では、「フロー情報からストック情報へ移行するのが大変だ」とお悩みの方に、 スピード感を持ってストック情報へ移行できるツールも紹介します。
▼動画でも解説しています
【ビジネス教養】フローとストック正しく理解できてますか?【Notion】
フロー情報とストック情報の違い
冒頭でもお話した通り、業務で発生する情報には「フロー情報」と「ストック情報」の2種類があります。どちらも業務上のコミュニケーションの中で生まれます。
簡単にいうと、フロー情報は「会話」、ストック情報は「その会話をテキストに書き起こしてまとめたもの」です。
普段、「フロー」や「ストック」とわざわざ意識しないことが多いと思いますが、ほとんどの仕事は常にフロー情報とストック情報に触れながら業務を行っている状態なのです。
フロー情報の概念と重要性
フローは「流れ」を意味し、流れていく情報ということから、有効期限が短い情報を指します。情報が発生した直後は価値が高く、時間の経過とともに価値が下がっていくのが特徴です。
そのため、スピード感や鮮度が重要視されます。
フロー情報型コミュニケーションのツールは、「多方面に情報を集約・発散させられる」ことが条件として挙げられます。気軽に会話感覚でやりとりできるものが該当します。
フロー情報の例
実務でたとえると、会話または会話感覚で行う情報交換です。会話や電話、チャット、ミーティングでの話し合いなど、対面・対面に近いやりとりがフロー情報型コミュニケーションにあたります。
たとえばチームメンバーと話していて、「新しい事業のアイデアが生まれた」とします。アイデアが発生、そのままディスカッションをし、事業の実行を決定。各人にタスクを振り分けます。
ここまでがフロー情報です。
ディスカッション内容とタスクを書き起こしていく段階で、ストック情報へと移行します。
フロー型コミュニケーションのメリット・デメリット
フロー情報型コミュニケーションのメリットは「手軽さ」にあります。
情報交換を行ったり、アイデアを出し合ったりして、チームメンバーと連携し素早いアクションを起こせます。
一方、デメリットとしては、「重要な情報が流れてしまう」点です。
発言の気軽さから雑談が多くなってしまう場合もあり、重要な情報を見過ごしてしまう状況もしばしば。また、発言の量が増えると、おのずと質の高さを担保できなくなります。
ディスカッションやアイデア出しに向いているコミュニケーションといえます。
ストック情報の概念と重要性
ストックは「貯める」を意味し、貯めていく情報ということから、一度決定し変更されない可能性が高い、有効期限の長い情報を指します。
フロー情報型コミュニケーションを経て決定した事項やタスクを記載するため、何度も参照される情報であることが特徴です。
定常業務がある会社なら、ストック情報を確認しながら進行する状況が多いため、重要性は非常に高くなります。
ストック情報型コミュニケーションのツールは、「プロジェクト管理やタスク管理ができる」ことが条件として挙げられます。貯めた情報をメンバーに分かりやすく共有可能で、すぐに参照できるものが該当します。
ストック情報の例
実務においては、社内の業務マニュアル、ミーティングで決まったタスク、顧客データなどが挙げられます。
社内の業務マニュアルは簡単には変更されませんし、何度も参照されるはずです。
仮に変更例を挙げるとすれば、業務で大きなミスが発生した場合です。
現状のマニュアルの通りに行っていたが、大きなミスが発生してしまった。原因究明や再発防止のために話し合い(フロー情報)、新たに最終決定した業務内容をマニュアルに体裁を整えて記載(ストック情報)します。
このように、フロー情報とストック情報は循環していきます。
ストック型コミュニケーションのメリット・デメリット
ストック情報型コミュニケーションのメリットは、すばり「業務やタスクの見える化」にあります。
たとえば、チームの日々の課題や解決までのやりとり、タスクを記載しておけば、どのような経緯でこの結論に至ったのか、残りのタスクは何なのかが誰が見ても分かります。
デメリットとしては「フロー情報のように気軽に残せない」点が挙げられます。何度も参照する情報だからこそ、コンテンツには一定以上の内容やクオリティが求められます。
ただし一度作成してしまえば、上長にプロジェクトの進捗を確認されたり、新しいチームメンバーを迎えたりする際にも大いに役立ちます。
どちらかだけではなく、フロー情報と併せてストック情報も充実させていくことがポイントです。
情報の特性に合わせたツール選びと管理方法
ここまでは、フロー情報とストック情報の意味や特性、関係性についてご説明しました。
ここからはそれぞれの情報に適したツールについて紹介していきます。
フロー情報に適したツール
フロー情報型のコミュニケーションは「気軽にすぐに発言できる」ツールが適しています。
テキストでのやりとりをするツールにしぼって紹介すると下記が挙げられます。
Slack
ChatWork
Microsoft Teams
LINE WORKS
Miro(マインドマップ)
いずれも、ビジネスシーンで大活躍のコミュニケーションツールです。
「正しい情報を残す」よりも、「今起こっている問題の確認」や「アイデアを話し合う」などのコミュニケーションが簡単に素早く行えることがポイントです。
ストック情報に適したツール
ストック情報型のコミュニケーションは情報を編集しやすく、後から情報を参照しやすいツールが適しています。
人気の高いツールだと下記が挙げられます。
Notion
Evernote
esa
Qiita
いずれも、情報が一目で確認できるツールです。
日々、蓄積されていく情報をいかに参照しやすいようにできるかが、ストック型ツールの選択ポイントです。
Notionはストック情報にオススメ
ストック情報を蓄積していくツールとしてオススメしたいのは「Notion」です。
実は、Notion自体には特筆した機能はありません。ですが、既存のツールにある便利な機能が集約されていてNotionひとつで表現・管理できるため「オールインワンスペース」と呼ばれています。
ストック情報におすすめな理由としては3つです。
すべての機能がNotionにそろっているため、様々なツールを行き来せずに一元管理できる
エンジニアでなくても自分の作りたい仕組みを自由に作成して、情報をストックできる
フロー型ツールとの連携もできる
詳しく見ていきましょう。
1. すべてを一つに管理できる「オールインワークスペース」
先述の通り、既存にあるツールの機能を集合させたツールがNotion。
たとえば、
Googleドキュメントのように文章を書く
Excelのように表を作成する
Trelloのようにカンバン形式でタスクを管理する
のように、様々な表現方法がNotionひとつで可能なのです。
編集ボタンなどもなく、表示・操作方法も非常にシンプル。
多数のツールを行き来せずに、今までバラバラになっていた情報を「一元管理できる」ことが、Notionで起こる体験のひとつです。
2. 自由自在に仕組みを作成できる
一般的なツールでは、限られた機能や仕組みでしか利用できないです。いざカスタマイズしたい時にできないので、他のツールをと併用して仕事をすることが多いです。
そうなった時に、多数のツールを行き来して、情報の管理が困難になります。
一方で、Notionの大きいな特徴として、レゴブロックのように、
テキストや画像、ファイルなどを組み合わせることで簡単に仕組みを作成・カスタマイズすることが可能です。すべてのことがNotionで完結できますので、情報の管理もしやすくなります。
たとえば、下記のような仕組みを簡単に作ることができます。
社内マニュアル
社員管理
顧客管理
ミーティングの議事録
ユーザー向けQ&A
しかし、Notionは自由度が高い一方で、デザイン的な配置や必要項目など、最初にページ設計を考えておく必要はあります。
Notionには様々なテンプレートが用意されているので、簡単にスタートでき、利用状況に応じたカスタマイズも可能です。既存のテンプレートを使えば、誰でも簡単に今すぐストック情報を管理できます。
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3. 様々なツールとの連携もできる
ストック情報が得意なツールではありますが、多数のフロー型ツールとの連携が可能です。
Slack
Zoom
Gmail
outlook
これらのツールとNotionを連携すれば、ひとつひとつの情報をコピー&ペーストすることなく、Notion上でも管理が可能です。(※APIを使用しての連携が必要なツール有)
フロー情報のスピード感を損なうことなくストック情報に移行でき、一緒に管理できてしまうのがNotionのすごいところなのです。
例えば、Slackと連携すれば作業がさらに便利に!
Slackインテグレーションを利用すれば、下記の機能が使えるようになります。
メッセージでNotionページの作成
ページコンテンツのプレビュー
ページのアクセス権限を付与
NotionとSlackを連携すればSlack上でNotionのページを作成できだり、コンテンツをプレビューできたりと、Slackをメインで使っている企業にはありがたい機能です。
Notionと他ツールの比較
先述の通り、既存にあるツールの機能を集合させたツールがNotion。そのため、他ツールとの比較はそもそもするものではないと考えています。
Notionを使うメリットは、「UI/UXに特化していること」、「自由自在に仕組みを作れること」に尽きます。
Notionはすべての機能がシンプルで使いやすいように設計されています。
たとえば、
書き心地の良い、ドキュメント機能
自動で無制限に保存される履歴管理
チームメンバーと同時に編集できる
各機能も感覚的に使用でき、負荷・ストレスが少ないのがポイントです。
ノースサンドでのフローとストック情報の管理例
最後に、ノースサンドでのフローとストック情報の管理例を紹介します。
たとえば、Slackでアイデア出しのディスカッションを行い、スレッドにたくさんのアイデアが集まるとします。その情報をメンバーの1人がNotionのデータベースにまとめてストック情報にまとめます。
このようにすれば、「あのディスカッションってSlackにしか残っていない?いつ、どのチャンネルで行ったんだっけ…?」とSlackの発言をさかのぼって検索しなくても、Notionを参照するだけでよくなります。
また、共有したい情報をNotionで作成、Slackにリンクを貼るだけでストック情報の共有が行えます。
具体的にはミーティングを行うのであれば、**Notionで作成した議事録のリンクをSlackで共有するだけでメンバーに周知できます。**議事録内にZoomミーティングのリンクも貼っておけば、「このミーティング、どこで行うんだっけ?」という確認を減らせます。
さらに、Slackとの連携もしており、Notion内のナレッジがアップデートされた場合は、Slackで該当メンバーに通知するようにも設定しています。
フロー情報とストック情報まとめ
情報共有って難しいですが、非常に重要ですよね。
本記事をまとめると下記の通りです。
フロー情報まとめ
情報が発生した直後は価値が高く、時間の経過とともに価値が下がっていくのが特徴
ディスカッションやアイデア出しなど
情報を発散させるコミュニケーションで生まれる
メリットは手軽さ
デメリットは重要な情報が流れてしまいやすい
会話感覚でやりとりできるチャットツールを使うのがオススメ
ストック情報まとめ
何度も参照される情報であることが特徴
マニュアルやタスク管理など
情報を収束するコミュニケーションで生まれる
メリットは業務やタスクを見える化できる
デメリットはフロー情報のように気軽に発言できない
一定以上の内容やクオリティが求められる
情報を編集しやすく、後から情報を参照しやすいツールを使うのがオススメ
もし情報共有が上手くいっていないと感じているのであれば、それぞれの情報特性を知り、正しい方法と適したツールで管理すれば、今よりもスムーズに情報共有が可能です。
本記事がやりやすい方法・ツールを見つける参考になれば幸いです。
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