多様なアプリ連携を可能にする
「Notion MCP」の特徴とメリットを徹底解説

2025年12月15日


はじめに

Notionは2025年4月より「MCP(Model Context Protocol)」のサポートを正式に開始しています。AIの進展により、Notionページの操作やデータベース管理の自動化が進み、チームの生産性向上に貢献しています。本記事では、MCPの基本的な仕組みから、Notion MCPがもたらす具体的な利点、今後の展望までをわかりやすく解説します。Notionを効果的に利用したい方や、業務効率化をさらに進めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

MCPサーバーを紹介する前に、まずは「MCPとは何か」について解説します。「MCP」とは「Model Context Protocol(モデル・コンテキスト・プロトコル)」の略称です。AIモデルと外部システムとの間で、データや文脈をやりとりするための通信規格を指します。

そして「MCPサーバー」は、AIが外部ツールと安全かつ効率的に連携できるようにする仕組みで、いわば「AIとアプリの通訳」として機能するサーバーを示しています。

MCPサーバーとは

MCPサーバーによってできること

MCPサーバーは、AIと外部アプリの橋渡し役と表現できます。AIが「このタスクの進捗を確認したい」と指示を受けると、MCPサーバーは、その意図をAPIリクエストに「変換」します。

その後、変換されたAPIリクエストは、NotionやSlackなどの連携したいアプリに送信されます。すると、MCPサーバーは、アプリからの情報を、AIが理解できる形式に再変換し、対話の中で自然な言葉として返します。

このようにMCPサーバーは、「AI と外部アプリの間の安全な中継点」として機能しています。APIトークンの管理、認証、リクエスト制御などを一元的に行えるのが大きな特徴です。MCPサーバーを導入すれば、AIが各種システムと柔軟にやりとりできる環境を構築できます。

従来は、AIが外部データにアクセスするためには、個別のAPI連携や複雑な権限設定が必要でした。しかし、MCPが標準化されたことで、統一されたプロトコルを通じたスムーズなデータ連携が可能になりました。

これにより、AIをより安全で、より汎用的に活用できるようになったのです。この「AIとアプリをつなぐ新しい共通言語」こそが、MCPの本質といえるでしょう。

Notion3.0で特に注目を集めているのが、MCPの公式サポートです。このアップデートは、単なる機能追加ではなく、NotionがAI時代の業務基盤として進化するための大きな一歩といえます。

NotionがMCPに対応した背景には、企業利用の拡大があります。これまで、外部AIとの連携や自動化を進めるには、開発者が個別にAPIを設定し、チームごとにアクセス制御を行う必要がありました。

しかし、企業において「安全で統一のとれたAIとNotionを連携させたい」というニーズが高まりました。MCPは、この課題を解決する仕組みであり、安全性を維持しながらAIがNotionのデータを扱えるようにしてくれます。

また、Notion 3.0全体の戦略として、AIを業務の一部に組み込む「ハイブリッド運用」への移行が進められています。MCPを採用することで、NotionはClaudeやCursorなどの外部AIとの間に、標準化された通信経路を確立することができます。企業の部門やチームのメンバーが自然言語でデータを扱える環境が整備されました。

企業や組織で活用する環境では、アクセス権限や認証管理をMCPサーバー側で一元化できるのも特筆すべき点です。AI活用の自由度を保ちながら、セキュリティポリシーを維持できます。Notion3.0によるMCP対応は、単なる技術的アップデートではなく、「安全性、操作性、拡張性」の三要素を兼ね備えた進化の象徴ともいえます。

Notion公式MCP サーバーが登場した背景

それでは、Notion公式MCPサーバーが登場したことにより、どんなメリットが生まれるのか解説します。

  • Notionページの読み取り:AIがページの内容を直接参照し、要約・整理・分析が可能

  • 新規ページやデータベースの作成:会議メモやタスクリストを自動生成し、チーム全体に共有

  • ブロック編集・コメント追加:AIが文章を追記・修正し、コメントを自動で付与

  • タスク管理の自動化:他ツールと連携し、完了ステータスを自動更新

これらは、単なる自動化にとどまらず、「AIがNotionを理解し、能動的に操作できる」ことを意味しています。具体的には、Claudeに「営業案件の進捗を一覧化して」と指示すれば、AIがMCPを介してNotionの該当ページを参照し、整理した内容を返すといったことが行えます。

Notion公式MCP サーバーの機能とメリット

「Notion AI」と 「Cursor + Notion MCP」の違い

「Notion AI」と「Notion MCP」は全く異なる仕組みです。Notion AIは、「Notion内部を中心に動作するAIアシスタント機能」であり、文章作成やNotionの操作などを補助します。

一方、Notion MCPは「中継サーバー」として、外部AI(ClaudeやCursorなど)がNotionのAPIにアクセスできるようにする役割を担います。つまり、Notion AI=「主にNotionのなかで稼働するAI」、MCP=「Notionの外から操作するための橋渡し役」というわけです。

特に、CursorやClaudeがMCPに対応を開始したことにより、ユーザーは、使い慣れたAIツールを通してNotionを直接操作できます。これにより、Cursor上でNotionのデータを参照しながらコードを書くことができます。そのほか、ClaudeからNotionタスクを更新するなど、さまざまな使い方が可能です。

「Notion AI」と「AIエージェント+MCP」、適材適所で効果を発揮

Notion AIは、文章作成やページ操作など「Notionワークスペース内で完結する作業」に強く、日常的なドキュメント業務に最適です。一方、「AIエージェント+MCP」は、Notion外のシステムと連携しながら動作します。そのため、社内ワークフローの自動化やタスク連携など、「複数アプリを横断して進める業務」に適しています。

Notion MCPは今後、他のAIエージェントとの双方向連携も強化される予定です。日常業務の自動化をNotion内で完結させたい場合はNotion AIを活用する。外部ツールやワークフロー全体を統合したい場合はMCP連携を活用するなど、目的に応じて使い分けが可能です。

具体的な例を挙げると、社内チャットツールで指示した内容をAIが読み取り、MCP経由でNotionのタスクを更新する。スケジュール情報を他のシステムに自動登録する、といったことも実現可能です。今後、MCP対応したAIが増えていけば、シームレスかつ安全な業務連携が広がり利便性も向上していくでしょう。

AI技術とNotionの融合は、今後さらに進化していくと考えられます。MCPサーバーの仕組みを理解し、AIエージェントを適切に活用すれば、自社業務の効率化だけでなく、情報共有のスピードや精度も飛躍的に向上します。

ノースサンドでは、Notion AIやMCPサーバーを活用した企業の業務効率化を支援しています。国内企業がNotionを導入・運用しやすいよう、以下のようなサポートを実施しています。

  • 日本円での請求書払いに対応

  • 社内のNotion利用を定着化させるためのトレーニングを提供

  • 企業向けのNotion高機能テンプレートを配布

  • 日本語によるチャットサポートを完備

「Notionをチーム業務の中核ツールとして活用したい」「AI連携を本格的に検討したい」という方は、ぜひノースサンドへご相談ください。Notionの企業導入に実績を蓄積してきたノースサンドが、お客様の課題に寄り添ったご提案をさせていただきます。

出典
・Notion MCPの始め方
https://notion.notion.site/Notion-MCP-1d0efdeead058054a339ffe6b38649e1

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