Notionは、2026年の秋にデータセンターを日本国内に開設すると発表しました。(※1)これは、Notionが「データ主権」への需要に応え、日本企業のデータ主権やデータ保管場所に関するニーズに応えるための取り組みです。これにより、法規制やガバナンスの観点からNotionの導入ハードルが高かった企業でも、データガバナンスや社内規定の観点から、Notionを導入しやすくなることが期待されます。本記事では、データ保護やセキュリティの観点から、データレジデンシー(データの保管場所)の重要性と、Notionの国内データセンターの開設の背景や利用メリットを紹介します。

※1 Notion、日本国内データセンター開設を発表
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000075.000088144.html


クラウドサービス選定に向けたデータセンターのチェックポイント

企業がクラウドサービスを利用する際、保管場所となるデータセンター。データセンターは、サーバーやストレージ、ネットワーク機器などが置かれる施設です。データセンターには、データの高速通信はもとより、災害対策を含めたデータの安全なやりとりや確実な保管が求められます。

クラウドサービスを利用する際は、そのクラウドサービスがどのデータセンターで運用されているかを認識しておくことが重要です。現在、世界的に広く利用されているクラウドベースのサービスは「AWS(Amazon Web Services)」、「Microsoft Azure」、「Google Cloud」などがあります。

大手データセンターのプラットフォームは、どれも世界水準のセキュリティと高度な冗長性を備えています。基盤となるインフラが強固であれば、サービス自体も安心して利用できます。万が一の障害発生時も着実な復旧が期待できるでしょう。最新の技術アップデートも迅速です。オンプレミスでインフラを運用するのと比べて、クラウドはコストを抑えながら最新の技術を享受できるでしょう。

加えて、停電時の自家発電設備が備わっているかなど、データセンターに災害対策が徹底されているかを確認しましょう。また、入退室管理においても、生体認証や監視カメラによる24時間の監視体制が整っているか、物理的なセキュリティ体制の確認も重要なポイントになります。

 

クラウドサービスを利用する際に求められるデータレジデンシー

一方、クラウドサービス選定の要件の1つとして、データ保護やセキュリティなどのガバナンスに配慮することが大切です。特に昨今、企業がクラウドサービスを利用する際、データ保管場所の厳格な管理が求められるようになりました。データレジデンシーとは、クラウド上に保存されるデータを、どの国・地域に保管するかを定める考え方です。

データ地域 バックアップ地域
US-West-2(オレゴン) US-East-2(オハイオ)
EU-Central-1(フランクフルト) EU-West-1(アイルランド)
AP-Northeast-1(東京)(近日公開*) AP-Northeast-3(大阪)(近日公開*)
AP-Northeast-2(ソウル)(近日公開*) AP-Northeast-2(ソウル)(近日公開*)

Notionのデータレジデンシー
https://www.notion.com/ja/help/data-residency

それでは、企業にデータレジデンシーの明示が求められるようになった経緯について見ていきましょう。

 

企業がデータレジデンシーを重視する理由

データレジデンシーが求められる背景には、EUのGDPR(一般データ保護規制)(※2)があります。GDPRはEU域内の個人情報をEU域外に移転する際に厳格な規制をしています。これに違反した場合、最大2,000万ユーロ(約30億円)または全世界年間売上高の4%のいずれか高い方の制裁金が科される可能性があります。

※2 GDPR(一般データ保護規制)の制裁金について
https://www.ppc.go.jp/files/pdf/gdpr-provisions-ja.pdf

クラウドサービスを利用する際、海外サーバーにデータが保管されるケースでは、企業がデータ保護への対策を行う必要があります。また、データ保護に加えて、データの運用管理やセキュリティリスクにも配慮することが重要です。データレジデンシーを意識していない場合、データの保管場所によってセキュリティ基準も変わってしまうことがあります。不適切な国にデータを保管した場合、万が一、地政学的リスクや規制が強化されると、クラウドサービス自体の利用が制限されるリスクもあります。

こうしたことから、近年は「データの主権を日本国内に置くこと」を、コンプライアンス要件や監査要件として求める企業も増えてきました。特に法的規制の厳しい業界では、海外へのデータ持ち出しが制限されることもあります。これらの要件を1つずつ精査し、自社の基準に合致するサービスを選ぶことが、安全なクラウドサービス利用の鍵を握ります。

 

日本企業へのデータレジデンシー提供に向けて、Notionが日本国内にデータセンターを開設

2026年3月24日、Notionはデータセンターを日本国内に開設すると発表しました。2026年の秋に一般提供を予定しています。

NotionはAWSをベースとしたクラウドサービスで、データレジデンシーは米国や欧州のほか、日本と韓国でも利用できるようになります。(※3)エンタープライズプランの企業が対象で、データの保存先はAWS東京リージョンをプライマリとして、AWS大阪リージョンがバックアップの役割を果たします。データの保管場所も、米国や欧州のほか日本国内を指定できるようになります。

※3 Notionが日本と韓国にデータレジデンシーを展開

https://www.notion.com/ja/blog/notion-expands-data-residency-to-japan-south-korea

対象となるデータは、ページコンテンツをはじめ、Notionにアップロードされた画像などのファイルや、検索インデックスを含みます。加えて、Notionに保存されるサードパーティやボットが生成したメッセージ・ファイルも対象となります。これにより、厳格なデータ保護を実現しながら、Notionの柔軟なコラボレーション環境を利用することができます。

また、Notionはこれまでと同様に高いセキュリティ基準も満たしています。Notionは、SOC 2 Type IIやISO 27001、ISO 27701といった、世界的に認められた第三者監査済みの認証を保持しています。(※4)

 
 

※4 Notion Security & Compliance
https://www.notion.com/security

Notionの国内データセンターの開設は、企業が保有する重要なデータを自国のサーバーで保護する「データ主権」に基づいています。これらは、データのプライバシーやセキュリティをはじめ、ガバナンス強化につながるものです。Notionは企業のインテリジェントなナレッジ基盤として、さらに安全な環境を提供できるよう取り組みを進めています。

 

厳格なデータ管理が求められる金融・証券・保険業界

Notionの国内データセンターの開設は、特に厳格な管理が求められる金融業界において革新的な変化をもたらすでしょう。これまで銀行や証券、保険会社における重点事項は「顧客情報の保護」であるため、クラウドサービスの利用に慎重な企業は少なくありませんでした。

金融業界のセキュリティ対策は、金融庁が提唱するガイドラインに基づいて厳密に規定されています。代表的な「金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドライン(※5)」では、金融業界で扱うシステムに高度なリスク管理が求められます。

※5 金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドライン(令和6年10月)

https://www.fsa.go.jp/common/law/cybersecurity_guideline.pdf

こうした状況のもとで国内にデータを保管できる選択肢があることで、データ保管場所を社内審査や監査時に説明しやすくなります。特に、顧客情報や機密情報を扱う企業にとっては、クラウドサービス導入時のリスク説明やガバナンス確認の材料になります。

この環境でNotionを活用できれば、金融業界におけるDXを推進することができます。例えば、複雑な社内規定の共有や煩雑なプロジェクト管理も、1つのプラットフォームに集約できるようになります。さらに、NotionのAI機能を活用することで、ワークスペース内の情報を対象に、検索や要約、タスク化をはじめ、強力に業務をサポートします。

「厳しいセキュリティ要件」と「クラウドサービスによる利便性」を両立する環境を提供するNotion。業界全体の生産性向上への寄与が期待されています。

 

安全な環境でNotionを構築するには?Notion導入を支えるノースサンド

クラウドサービスの選定において、データのプライバシーやセキュリティの観点からデータレジデンシーの重要性について見てきました。Notionの国内データセンターの開設は、データレジデンシーを提供することで、自国に保有するデータの保護を強化します。

そしてノースサンドでは、お客様が利用しているシステムを深く把握したうえで、最適なNotion導入を提案しています。導入から運用の定着まで幅広く支援しており、組織やチームの生産性向上を後押しします。

また、ノースサンドなら日本円での請求書払いが可能です。為替相場の変動に左右されることなく安定した予算管理が行えるほか、以下のサービスも提供しています。

  • 社内のNotion利用を定着化させるためのトレーニングを提供

  • 企業向けのNotion高機能テンプレートを配布

  • 日本語によるチャットサポートを完備

データレジデンシーを提供すべく、日本国内におけるデータセンターの開設に向けて取り組むNotion。これまで自社のガバナンスや監査対応の観点から、Notionの導入に二の足を踏んでいた企業は、検討への良い機会かもしれません。ノースサンドは、こうした不安を抱える企業の悩みを拾い上げながら、Notionを活用した企業価値の向上を支援します。

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