2026年10月8日
メモやタスク管理、社内Wikiなどを1つの場所に集約できるNotion。一方、Microsoft 365で利用できるMicrosoft Loopも、情報共有や共同編集を支えるツールとして多くのユーザーに利用されています。一見、似た用途を持つ両者ですが、細かな部分でそれぞれ特徴があるため、企業で利用する際は用途に応じて選定する必要があります。本記事では、2つのツールにおける機能やアプリケーション連携、AI活用などを比較し、自社に合うツールを選ぶポイントを解説します。
NotionとMicrosoft Loopの機能を徹底比較
NotionとMicrosoft Loopは、文書作成やタスク管理、共同編集に強みがあるという共通点があります。会議の記録やプロジェクトの進行管理など、複数のメンバーで情報を扱う業務に役立つ機能を数多く備えています。
しかし、情報をどう蓄積し、どのように業務で利用するかという点で、両者には違いもあります。ここでは、設計思想や利用方法、データ連携、AI機能の4つのポイントで比較します。
比較1:設計思想の比較
Notionは、情報を1つのワークスペースに集約し、個別の情報をつなぎながら、組織のナレッジとして蓄積・活用することを重視しています。情報を分散させず、後から検索・参照・再利用できる共通基盤を作ることが、Notionの設計思想です。
一方、Microsoft Loopは、情報を「Loopコンポーネント」という小さな単位で扱い、Microsoft 365を使った業務の流れに組み込むことを重視しています。情報を1つの場所へ集約するよりも、必要な場所へ届け、チームが継続的に共同作業できる状態を作ることが、Microsoft Loopの設計思想です。
比較2:情報の整理・共有方法の比較
NotionとMicrosoft Loopでは、情報を整理・共有する方法が異なります。
Notionでは、データベースに担当者やステータスなどのプロパティを設定し、テーブル・ボード・カレンダーなど、用途に応じたビューで表示します。さらに、顧客情報と商談情報のように複数のデータベースをリレーションで関連付けることで、情報を構造化し、必要な情報を同じ画面から確認できます。
一方、Microsoft Loopでは「ワークスペース」「ページ」「Loopコンポーネント」という単位で情報を扱います。Loopページで議事録やアイデア、プロジェクト情報を整理し、表やタスクリストなどの一部をコンポーネントとしてTeamsやOutlookへ共有します。メンバーは普段利用している画面から同じ内容を更新でき、変更は共有先にも同期されます。
このように、Notionは情報を構造化・関連付けて管理する方法、Microsoft Loopは情報を複数の業務画面で共有・同期する方法に特徴があります。両者は同じ機能を備えているのではなく、情報の扱い方が異なります。
比較3:データ連携の比較
Notionは、Microsoft製品以外も含めた幅広いサービスとの連携に対応しています。Slack、Googleドライブ、Jiraなどと接続でき、外部サービスの情報をNotionから参照・検索できます。複数のSaaSアプリケーションを利用している企業では、Notionが各サービスに分散した情報をまとめるハブとしても活用できます。
一方、Microsoft Loopは、Microsoft Teams、Outlook、OneNote、Whiteboardなど、Microsoft 365製品との連携を前提としています。Loopで作成した情報をMicrosoft 365の各製品で利用できるため、Microsoft製品を中心に業務を進めている企業では、既存のシステム環境を活かしながら情報を扱えます。
そのため、データ連携の観点では「現在どのツールを中心に業務を行っているか」が判断材料の1つとなります。複数のSaaSアプリケーションを横断して情報を管理したい場合はNotion、Microsoft 365を中心とした業務環境を活用したい場合はMicrosoft Loopが候補になるでしょう。比較4:AI機能の比較
Notionでは「ビジネス」プラン以上で「Notion AI」、Loopでは「Microsoft 365 Copilot」を利用できます。Notion AIは文章作成や要約に加え、ワークスペースや接続済みのアプリケーションを横断した情報検索にも対応しています。これにより、Notionに蓄積された情報を対話形式で取得できます。
たとえば、議事録はNotion、会話はSlack、提案資料はGoogleドライブ、案件情報はJiraに分散していると、担当者が顧客の最新状況を把握するまでに時間がかかります。そこで、Notionの顧客データベースを起点に議事録や案件情報を関連付け、Notion AIでワークスペースと接続済みアプリケーションを横断検索します。担当者はAIの回答と参照元を確認したうえで、次の対応や商談準備に活用できます。
このように、Notion AIは単体のAIチャットとして使うのではなく、Notionに構造化した情報と外部サービスの情報を業務で再利用する役割を担います。情報の蓄積・整理から検索・活用までを1つのワークスペースでつなげられる点が、Notionの特徴です。
一方、Microsoft Loopでは、Microsoft Copilotを使ってWebや、利用者に閲覧権限のあるMicrosoft 365上の組織内データについて質問し、回答をLoopページに挿入できます。また、ページに加えた変更の要約や、会議の共同メモにおける重要事項・タスク候補の生成にも対応しています。
たとえば、Teamsで会議を行い、Outlookで関係者と連絡を取りながらプロジェクトを進める企業では、議題やタスクリストをLoopコンポーネントとして共有できます。メンバーはTeamsやOutlookから同じ内容を共同編集し、変更内容を同期できます。Copilotでページの変更点を要約したり、共同メモから重要事項やタスク候補を抽出したりすれば、会議後の情報整理や対応漏れの防止に役立ちます。
このように、Microsoft Copilotは、Microsoft 365を中心とした共同作業の流れを保ちながら、情報の整理や次のアクションの抽出を支援する役割を担います。ただし、現時点ではLoopワークスペースについて質問したり、現在開いているページをCopilotで更新したりすることはできません。利用には対象ライセンスが必要です。
参考:https://support.microsoft.com/ja-jp/loop/frequently-asked-questions-about-copilot-in-loop
AI機能だけで優劣を判断するのではなく、「自社の情報がどこに集まっているか」を基準に考えることが大切です。
4つの比較ポイントまとめ
| 比較項目 | Notion | Microsoft Loop |
|---|---|---|
| 設計思想 | 情報を1つのワークスペースに集約し、個別の情報をつなぎながら組織のナレッジとして蓄積・活用する | 情報を小さな単位で扱い、必要な場所へ届けてMicrosoft 365の業務の流れに組み込む |
| 利用方法 | データベースにプロパティを設定し、用途に応じてビューを切り替えたり、複数のデータベースをリレーションで関連付けたりして管理する | Loopページの一部をコンポーネントとしてTeamsやOutlookへ共有し、各画面から更新する |
| データ連携 | Slack、Googleドライブ、Jiraなど、複数の外部サービスの情報をNotionから参照・検索する | Loopで作成した情報をTeams、Outlook、OneNote、WhiteboardなどのMicrosoft 365製品で利用する |
| AI機能 | Notion内と接続済みアプリケーションの情報を横断して検索し、文章作成や要約にも活用する | 対象ライセンスに応じて、Loopページ内の内容の要約や下書きの改善などに活用する |
NotionとMicrosoft Loopはどのような企業に向いている?
NotionとMicrosoft Loopのどちらが適しているかは、現在利用している製品だけでなく、「情報をどこに蓄積したいか」「情報をどのように活用したいか」を基準に判断することが重要です。
Notionが向いている企業
情報が複数のSaaSや部署に分散している
社内情報をナレッジとして長期的に蓄積・再利用したい
関連する情報をまとめて確認し、情報を探す手間を減らしたい
部署横断のWikiや業務基盤を構築したい
Microsoft Loopが向いている企業
Microsoft 365を中心に業務を進めている
TeamsやOutlookなど、既存の業務環境を活かしたい
Loopコンポーネントを使った共同編集を重視したい
新しい情報基盤を構築するより、現在の環境で共同作業を効率化したい
ただし、Microsoft 365を利用している企業でも、必ずしもMicrosoft Loopが適しているとは限りません。Microsoft 365を中心に業務を進めている場合でも、情報の分散を解消し、社内のナレッジや業務データを横断的に蓄積・活用したい場合は、Notionが候補になります。自社が重視するのが「情報を蓄積・構造化して活用すること」なのか、「既存のMicrosoft 365環境で共同編集を効率化すること」なのかを整理して選びましょう。
導入前に確認したい運用条件
製品を導入する前に、既存ツールとの連携、アクセス権限、情報の更新ルール、運用担当者などを整理しておくことが重要です。機能数やAIの性能だけで判断せず、導入後に誰がどのように情報を管理するかまで確認しましょう。
また、実際に利用する社員が無理なく使い続けられるかも重要な判断基準です。社内利用を定着させるには、情報を手軽に収集・蓄積でき、必要な情報を見つけやすい状態を保つ必要があります。自社の業務フローや情報管理の現状を踏まえ、継続的に運用できる条件を整えましょう。
会社でのNotion活用ならノースサンドが丁寧にサポート
これまで見てきたように、TeamsやOutlookを中心とした業務環境で、情報をリアルタイムに共有・編集したい企業にはLoopが適しているといえます。一方、社内Wikiやデータベースを構築し、部署を横断して情報を蓄積、検索、活用したい企業には、Notionが有力な候補になるでしょう。複数のSaaSアプリケーションに分散した情報をまとめたい企業にも向いています。
Notionは自由度が高いからこそ、導入時の情報設計や運用ルールを設けることが重要です。Notionにおける情報設計や運用ルールの策定について、ノースサンドでは個々のお客様の課題に寄り添い、伴走支援を行っています。Notionの導入のみならず、運用や利用の定着まで広範にわたってサポートします。さらに、以下のサービスも提供しています。
日本円での請求書払いに対応
社内のNotion利用を定着化させるためのトレーニングを提供
企業向けのNotion高機能テンプレートを配布
日本語によるチャットサポートを完備
分散しがちな社内情報を一元化し、Notionを活用したいとお考えなら、ぜひ一度ノースサンドに相談してみてはいかがでしょうか。