ナレッジ共有を成功されるポイントを解説

ナレッジ共有を成功させるポイントとは?

~ 導入のメリットデメリットを解説 ~

2023年10月25日(2024年8月15日更新)


「メンバーのスキルの差がある」
「担当の社員以外、業務のことについて知らない」
「新人に情報がうまく共有できない」

このように、ナレッジ共有に関するお悩みの方は多いのではないでしょうか。ナレッジを共有し、活用できるようになると、業務の効率化やメンバーのスキルアップ、新人教育の活用、オンボーディングの効率化を実現することができます。本記事では、ナレッジの意味やナレッジ共有のデメリット、ナレッジ共有の導入を成功させるポイントを紹介するとともに、ナレッジ共有におすすめのツールについてもお伝えします。

ナレッジ共有とは? 「ノウハウ」「スキル」との違いは?

「ナレッジ共有」や「ナレッジを蓄積する」という言葉を最近よく耳にしますが、本来ナレッジとは、「知識」のことを示しています。知識というと広範で分かりにくいので、実際の業務に当てはめてみましょう。

▼ナレッジに当たる業務情報

  • 業務マニュアル

  • 社内用語集

  • 研修資料

  • 議事録

  • 日報、週報など

これらは、日々業務で扱っている情報ばかりであるといえます。ナレッジに当たる業務情報が整備されていれば、もうすでにナレッジ共有しているのでは?と思った方もいらっしゃるかもしれません。

実は、情報を羅列するだけではナレッジ共有にはならないのです。

この業務情報を、「ナレッジとして共有する」という意識を持って作成するかどうかで、記載する内容も大きく変わってきます。

では、ナレッジ共有で意識するのはどういった点なのでしょうか?

ナレッジ共有とは「暗黙知を形式知へ変える」こと

暗黙知…知識だけでは理解できないコツや感覚のこと
形式知…マニュアルや説明書などに載っているように、読めば誰でも理解できる知識のこと

ナレッジ共有は、暗黙知を形式知へ変えることを意識して初めて意味を持ちます。例えば、職人の世界での暗黙知が際たるものといえます。大工や陶芸家などは「これまでの経験による感覚」で仕事を進めていることが多く、新人がベテラン職人の技術を会得するまでに長い期間を要します。

この感覚を誰でも理解できる内容にまとめたものが、形式知となります。

日々の業務の暗黙知を形式知へ変え、社内で共有することが「ナレッジ共有」なのです。

ナレッジ、ノウハウ、スキルの違い

似た言葉としてよくあげられる「ナレッジ、ノウハウ、スキル」ですが、実はすべて違う意味で繋がっている言葉です。

ナレッジ…知識のこと
ノウハウ…コツや知恵のこと
スキル…技術、テクニックのこと

知識(ナレッジ)を使って実践をし、実践を続けていく中でコツや知恵(ノウハウ)が生まれ、磨き上げていく中でテクニック(スキル)がついてくるという一連の流れで使われる言葉です。

こうして考えると、まずはナレッジがなければノウハウが育たず、スキルにも発展しません。だからこそ、ナレッジ共有が大切なのです。

ナレッジ共有がうまくいかない組織で起こり得るリスク

ナレッジ共有がうまくいかない組織では、次のような状況に陥るリスクが高まります。

  • 業務が属人化し、情報がブラックボックス化する

  • メンバーによって業務スピードに差がつく

  • メンバー同士の関係悪化や離職

ナレッジ共有を導入していない、もしくはうまく仕組化できていない企業で起こりがちな状況で、業務がスムーズに進まない、ひいては組織が瓦解してしまうリスクも存在するのです。こうしたリスクを詳しくみていきましょう。

業務が属人化し、情報がブラックボックス化する

まずは、業務の属人化です。これは、ある業務の進め方や情報が特定のメンバーしか把握していない状況のことです。

仮に業務が属人化している場合、担当メンバーが突然休んでしまうと、業務の内容が一切分からず遅れが出てしまう…このような光景はどこの会社でもみられることでしょう。

情報がブラックボックス化されている状態では、誰も業務内容が分かりません。

こうした状況も、ナレッジ共有をしていれば他のメンバーが代わりに業務を担うことができるのです。

メンバーによって業務スピードに差がつく

ある業務を、Aさんは15分で終えられるのに、Bさんは1時間かかってしまう。

一概には言えませんが、こうした例はナレッジの差によるものがほとんどです。

例えば、「ツールの操作方法」や「ショートカットキー」の知識の有無によっては作業時間に差が生まれるのは実体験として分かる方も多いのではないでしょうか。

メンバーごとの業務スピードの差も、ナレッジ共有によって解決されることが非常に多いのです。

メンバー同士の関係悪化や離職

「他のチームと違って、自分たちのチームには一向に情報がおりてこない」となった場合どうでしょうか。情報がきちんとおりてくるチームが優遇されているように見えてしまうと、メンバー間での不和が起こりかねません。

さらに、情報が周知されないチームは、常に「これは最新の情報なのだろうか?」「業務フローはこれで正解なのだろうか?」という疑問を持ちながら業務を進めることになり、メンバー間に不安が広がってしまいます。

そして、不安は不満へと変わり、最終的には当事者が離職することに繋がってしまう恐れもあるのです。ナレッジ共有さえ導入・運用できていれば、どのメンバーにも平等に情報が与えられ、不安なく業務を進められるようになります。

ナレッジ共有の仕組みを導入する3つのメリット

それでは、ナレッジ共有の仕組みを作り、活用して得られるメリットは、次に掲げる3つが挙げられます。

  • 業務の見える化、効率化

  • メンバーのスキルアップ

  • 新人教育、オンボーディングの効率化

メリットも併せて考えると、ナレッジ共有の仕組みの導入は急務であると感じられる方も多いと思います。メリットを詳しく紹介します。

業務の見える化、効率化

「ナレッジ共有=情報が開示される」ことにもなるため、各メンバーがどんな業務をしているのかが分かるようになります。

チームだけではなく、社内全体での共有を行えば他部署との連携もスムーズに進みます。

ナレッジ共有をすればそのナレッジをさらに磨き上げることもでき、進化したナレッジ共有が行われ、業務の効率化を加速させることが可能です。

メンバーのスキルアップ

これまで共有されていなかったナレッジが共有される仕組みが作られると、チームや会社全体のスキルアップが期待できます。

さらに、メンバーで共有されたナレッジの中で、一番効率のよいものを選んで実践していけば自然と全体のスキルが底上げされていきます。ナレッジが磨き上げられていく循環が作られるのです。

新人教育、オンボーディングの効率化

社内のナレッジが体系的にまとめられると、新入社員を迎える際にも役立ちます。情報をまとめておき、「これを見ておいて」と渡せば、教育する側もされる側も負担が軽減されます。

「情報が得られない」「放置されているように感じる」などの場合の新人の離職を防ぎ、定着率のアップにもつながります。

教育する側と新入社員、双方にメリットがありますね。

必要な情報を必要な時に取り出せる仕組みにしておけば、非常に便利です。

ナレッジ共有の仕組みが浸透する時間を考え、早期に導入するのがポイント

どんなに画期的な仕組みでも、導入初期の慣れないうちは「これまで通りでいいのではないか」「どうしてもわざわざ情報をまとめなければならないのか」などと不満がでてしまうことが多くあります。

業務スピードが落ちてしまったように感じることも少なくありません。

しかしながら、ナレッジ共有は必要になる会社がほとんどで、導入すれば必ず業務効率が上がります。

チームや会社の規模がそれほど大きくなく、常にコミュニケーションがとれている状態であれば、ナレッジ共有は不要かもしれません。ですが、規模が大きくなってくるにつれ、全メンバーと均等にコミュニケーションをとるのは難しくなるもの。

必要になると分かっているのであれば、早めに導入するほうが負担は軽くなります。規模がちいさいうちの導入がおすすめです。

失敗しない!ナレッジ共有で効果を上げる5つのポイント

多くのメリットがあるナレッジ共有の仕組み作りですが、ナレッジ共有は新しい文化として認識されることも考えると、入念な準備を行うことが重要です。これにより、導入の失敗を回避することができます。

ここでは、ナレッジ共有で効果を発揮する5つのポイントを紹介します。

  • ナレッジ共有を導入する目的を共有する

  • ナレッジを管理する「ナレッジリーダー」を決める

  • ナレッジを貯める、共有する文化を促進・定着させる

  • ナレッジを検索・参照しやすい設計にする

  • ナレッジ共有ツールを導入する

いずれもナレッジ共有の導入前にしっかり準備しておくべき内容となっています。

ナレッジ共有を導入する目的を共有する

まずは、「なぜナレッジを共有する必要があるのか?」を説明しておく必要があります。

  • チームは今どんな課題を抱えているのか

  • ナレッジ共有をすることでどんなメリットがうまれるのか

  • 結果としてどのような未来にしたいのか

ナレッジを共有する理由と目的をきちんと説明することで、メンバーも腑に落ち、「ナレッジ共有が必要だ」という共通認識が生まれます。

この共通認識があるかどうかで、ナレッジ共有の成功が決まるといっても過言ではありません。

ナレッジを管理する「ナレッジリーダー」を決める

「誰がメインで管理するのか」を決めておかなければ、ナレッジは育ちません。

メンバー全員で管理しようとすると、情報の粒度やトーン&マナー(記載のルールや方向性)が乱れます。特にこの2点が揃っていないと、とたんに見にくくなり、活用しにくくなってしまう可能性が高まります。

そのため、誰か1人をリーダーに選抜し、「ナレッジに関することはこの人」と最初に決めておくことがポイントです。

ナレッジを貯める、共有する文化を促進・定着させる

ナレッジは貯めて終わり、という情報ではありません。

共有しメンバーで実践したら、改善点などを話し合い、またナレッジ化し、さらに進化させていくことが重要です。具体的には、朝礼や夕礼などでナレッジを読み合わせる、振り替える時間を作るのも効果が高まります。まず「ナレッジ」を意識する時間を作っておくことがおすすめです。

ナレッジを検索・参照しやすい設計にする

貯めたナレッジは検索・参照しやすい設計にしなければ、見られなくなってしまいます。

検索にかかりやすいタイトル(議事録 → ○○チーム 議事録 2022/12/01)と命名を工夫する、または階層をできるだけ浅くできるように工夫が必要です。

ポイントは、「初めての人でも一見して分かる」ように設計することです。分かりやすいページ設計を意識していきます。

ナレッジ共有ツールを導入する

ナレッジ共有の仕組みの構築には、検索・参照しやすい設計が大事とお伝えしました。しかし、一から設計するのは大きな労力が伴います。

こうした問題には、ナレッジ共有専門ツールの導入で解決することができます。

主なツールを紹介していきます。

  • esa

  • Notion

  • Qiita

  • Evernote

いずれもストック情報を扱うことに長けたツールばかりのため、ナレッジ共有にもおすすめです。

▼チームの情報共有で大切なこととは?
フロー情報とストック情報の概念とツールの使い分

ナレッジ共有には「Notion」がオススメ

Notionがナレッジ共有する仕組みにおすすめである理由としては、3つあります。

  1. すべての機能がNotionに揃っているため、さまざまなツールを行き来せずに一元管理できる。

  2. エンジニアでなくても自分の作りたい仕組みを自由に作成して、情報をストックできる。

  3. フロー型ツールとの連携もできる。

1. すべてを一つに管理できる「オールインワークスペース」

多数のツールを行き来せずに、今までバラバラになっていた情報を「一元管理できる」ことが、Notionでナレッジ共有・管理するのにおすすめの理由です。

2. 自由自在に仕組みを作成できる

一般的なナレッジ共有ツールでは、限られた機能や仕組みでしか利用できません。一方で、Notionの大きな特徴は、レゴブロックのように、テキストや画像、ファイルなどを組み合わせることで簡単に仕組みを作成・カスタマイズすることが可能で、明解な仕組みになっています。すべてのことがNotionで完結できますので、情報の管理もしやすくなります。

3. さまざまなツールとの連携もできる

ストック情報が得意なNotionですが、多数のフロー情報を扱うツールとの連携が可能です。

  • Slack

  • Zoom

  • Gmail

  • Outlook

これらのツールとNotionを連携すれば、一つひとつの情報をコピー&ペーストすることなく、Notion上でも管理が可能です(APIを使用しての連携が必要なツールもあります)。

フロー情報のスピード感を持続させた状態でストック情報に移行でき、一緒に管理できてしまう点が、ナレッジ共有におけるNotionがおすすめであるポイントです。

▼SlackとNotionの連携方法と活用方法

【Notion × Slack】連携方法と注意点。コンサル会社はどう活用する?

ナレッジ共有まとめ

ナレッジ共有は「社内環境を心地よいように整えること」であるといえます。仕事に必要な情報がどこにあるか分かる状態で業務が進められることは、効率的で安心感を生み出します。

上司やチームリーダーからするとメンバーの情報としてまとめられているため、わざわざ本人に聞かなくても業務が把握できます。

現場と上司やチームリーダー、両者にメリットがあるナレッジ共有。ぜひ今日から始めてみてください。

▼ナレッジ共有を最適化させる方法

【Notion徹底解説】Webクリップでチーム内のナレッジ共有を最適化。

ナレッジ共有の仕組・設計が難しいとお悩みの方は

弊社は、Notion導入後のワークスペースの設計や運用を行っています。今回ご紹介した「ナレッジ共有についてより具体的に知りたい場合、あるいはナレッジ共有としてNotionを導入・運用を実現したい場合に加えて、Notion 企業導入をご検討の方や、Notionについて疑問をお持ちの方はぜひお問い合わせください。

ノースサンドでは、エンタープライズプランをフル活用しながら、これまで数多くの企業が、情報管理やプロジェクト管理を進め、組織やビジネスにおける成長の礎を築いています。ノースサンドでは、主に以下のようなサービスを提供しております。

  • 社内に浸透して行くためのトレーニングを提供

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