ナレッジ管理とは?チームの情報共有に必須!おすすめツールも紹介
2023年9月25日
「うまくチームの情報が共有できていないな…」
こんな風にお悩みではありませんか?
チームの人数が多くなるにつれて、情報の管理・共有に課題を感じることも増えます。メンバー間での情報格差が生まれてしまうと、業務がスムーズに進まなくなってしまいますよね。
そんなときには、「ナレッジ管理」の導入がおすすめです。
ナレッジ管理を導入すると組織内の知識(ナレッジ)を収集・共有・活用でき、業務がスムーズかつ、効率的に進められます。
ナレッジを管理するデータベースをナレッジベースと呼びます。ナレッジベースの導入は、組織の風土や文化、業務フローに合わせたカスタマイズが必要です。
本記事ではナレッジ管理の重要性と価値、ナレッジを創造するプロセスについて説明いたします。ナレッジ管理におすすめのツールについても紹介いたします。
チーム内での情報共有や、ナレッジ管理の方法についてお悩みの方の参考になる内容です。
ナレッジ共有とナレッジベース
まず、ビジネスで発生する情報は、フロー情報とストック情報に分けられます。
実際の業務に当てはめると下記の通りです。
フロー情報:会議での会話やチャットの履歴・通話、
ストック情報:これらのフロー情報をまとめた議事録や業務マニュアル
このストック情報が、ナレッジ(知識)にあたります。ナレッジを適切に管理・共有することで、チーム内の業務品質が一定に保たれます。
ただしナレッジは、身につけた瞬間から古くなっていきます。
鮮度が大切なため、情報を適切に管理・運用することが必要です。
ナレッジを共有・管理する
散らかってしまった情報を一元化し、チーム内でナレッジベースを使って鮮度を保ち適切に管理する、これが「ナレッジ管理」です。
ナレッジを管理・チームで共有すると、これまでチーム内で起こっていた属人化、情報格差による業務効率の低下などが防げます。
組織の風土、文化やビジョンに合わせたナレッジの収集と共有、貯まったナレッジを社内・チーム内で全員で活用できるような仕組みが大切です。
ナレッジ管理は単なるツールや技術・情報ではなく、組織の文化の一部として浸透させる意識が重要です。
ナレッジベースはチームを支援する仕組み
ナレッジ管理のために必要なのは、「ナレッジベース」という概念です。
ナレッジベースは、組織内のナレッジを一元化・整理する仕組みのこと。
導入すると、フロー情報やストック情報を統合的に管理でき、チーム内でのスムーズな情報共有に役立ちます。うまく機能させれば、組織内のコミュニケーションを向上させ、共有・知識不足による業務の遅延などを防ぎます。
ポイントは、チームメンバーが過去の経験やノウハウをいつでも閲覧できるように整備することです。いつでも誰でも、そのときどきで適切な情報を閲覧できれば、新人・ベテラン関係なく課題に対処できます。
ただし、ナレッジベースの導入には、組織のカルチャーや業務フローに合わせたカスタマイズが求められます。構築と管理にはある程度のコミットとリソースが必要ですが、着手しなければいつまでたってもチーム内の情報格差を埋められません。
導入しないデメリットのほうが大きいのです。
ストック情報とナレッジの価値
ストック情報はナレッジ管理の目的である、情報を共有・活用・継承するために必要不可欠です。先述の通り、ストック情報はフロー情報から取り出し、まとめる必要があります。
フロー情報からストック情報を効率的に作成するためには、情報の整理・体系化が重要です。ポイントは下記のとおりです。
情報を整理・体系化する
必要な情報を抽出する
検索しやすいように情報を構造化する
ナレッジとして共有・活用できる状態にする
フロー情報を適切にストックすることで、ナレッジ管理の目的である、情報の共有・活用・継承を実現するできます。
ただし、ナレッジを管理し活用していてもナレッジは身につけた瞬間から古くなっていきます。ナレッジを収集するのと同時に、古い知識を新しい知識にアップデートしていく作業も必要です。
このアップデート作業を効率的に行うためには、下記サイクルの意識が重要です。
フロー情報の収集・整理
ストック情報の作成・共有
ストック情報の活用・フィードバック
このサイクルを回すことで、常に最新の知識を活用し組織の成長を促進できます。
具体的には、下記のポイントを押さえることが重要です。
フロー情報は、業務の現場から積極的に収集・整理する
ストック情報は、誰でも理解しやすいように作成・共有する
ストック情報は、定期的に更新・改善する
このサイクルを意識することで、ナレッジ管理の効果を最大限に高められます。
ナレッジ管理導入の具体例
ナレッジ管理の導入がチームにもたらす成果は明確です。
実際のビジネスにおいて、ナレッジベースとナレッジマ管理がどのように効果を発揮するのか例を挙げてみましょう。
例えば、製造業の企業でのナレッジベースの活用を具体的に考えてみます。
ナレッジベースを活用し、過去の生産データや技術情報を一元管理。情報をまとめることにより、製品の品質向上や生産効率の向上が図れます。
また、ベテランの技術者たちが持つ暗黙知を共有し形式知へと変える。そのサイクルを回していけば、自然とベテランと新人の情報格差がなくなり、業務がよりスムーズに進むことが期待できます。
次に、顧客対応の分野でのナレッジ管理も考えてみましょう。
カスタマーサポートのチームがナレッジベースを活用して、過去の問題事例とその解決策を効率的に共有。
チーム全体の顧客の問題解決スピードが向上し、顧客満足度の向上を図れます。さらに、顧客からのフィードバックをもとに製品の改善点を把握するサイクルを回し、結果として販売の促進が期待できます。
あくまでも例ではありますが、このようにナレッジ管理はチーム全体の知識、業務効率の向上につながります。
さらに、生産性も向上し、さまざまな好循環のサポートになるでしょう。
4つのプロセスからなるナレッジ創造のモデル
では、ナレッジベースはどのように創造・構築するのかについて紹介いたします。
ナレッジの創造は、実は、暗黙知にはじまり暗黙知に戻ります。サイクルを説明するために、野中郁次郎教授が提唱した「SECIモデル」を参考にします。
SECIモデルとは、下記の4つのプロセスからなるナレッジ創造のモデルです。
暗黙知の共有(Socialization)
形式知の創造(Externalization)
形式知の共有(Combination)
暗黙知の深化(Internalization)
このモデルでは、先述の「暗黙知」と「形式知」を使ってサイクルを回します。
SECIモデルでは、この2つの知識を相互に転換し、新たな知識を創造するという考え方です。
ナレッジにおける暗黙知と形式知の有効な活用
まず、形式知と暗黙知とはなにか?
暗黙知…知識だけでは理解できないコツや感覚のこと
形式知…マニュアルや説明書などに載っているような読めば誰でも理解できる知識のこと
例えば、職人の世界での暗黙知が分かりやすいです。
大工や陶芸家などは「これまでの経験による勘や感覚」で仕事を進めることが多く、新人がベテラン職人の技術を会得するまでに長い期間を要します。
この勘や感覚を誰でも理解できる内容にまとめたものが「形式知」です。
ただ情報を書いて保管することがナレッジ管理ではなく、この「形式知」に昇華してはじめて、ナレッジを管理し、運用する意味があります。
フロー情報やストック情報に加え、暗黙知と形式知も併せて一元で「ナレッジ」として管理する。日々の業務の暗黙知を形式知へ変え、社内共有する仕組みがナレッジベース、ナレッジ管理なのです。
暗黙知の共有(Socialization)
SECIモデルの1つ目のプロセスである「暗黙知の共有(Socialization)」では、個人の暗黙知をチームや組織に共有します。
具体的には、OJTやワークショップ、チームビルディングなどの活動を通じて行います。
このプロセスでは、下記のポイントが重要です。
関係構築
共感
対話
暗黙知の共有を促進する具体的な方法としては、下記が挙げられます。
1on1ミーティング
ワークショップ
チームビルディング
暗黙知の共有を促進することで、個人の経験や勘をチームや組織に共有し、組織の知見を高められます。
形式知の創造(Externalization)
SECIモデルの2つ目のプロセスである「形式知の創造(Externalization)」では、暗黙知を言葉や図表などの形式知にすることで、共有や活用しやすくなります。
具体的には、マニュアルやノウハウ、ワークフローなどの形式知を作成します。
このプロセスでは、下記のポイントが重要です。
視覚化
言語化
抽象化
形式知の創造を促進する具体的な方法としては、下記が挙げられます
マニュアル作成
ノウハウ共有
ワークフロー作成
個人の経験や勘を形式知として共有し、組織の知識を体系化できます。
ここがナレッジにあたります。
形式知(ナレッジ)を参照することで、暗黙知の理解を深め、より効果的に暗黙知を共有が可能です。
形式知の共有(Combination)
SECIモデルの3つ目のプロセスである「形式知の共有(Combination)」では、形式知を組み合わせることで、新たな知識を創造できます。
具体的には、社内ナレッジ共有システムやコラボレーションツールなどを活用して、形式知を共有します。
このプロセスでは、下記のポイントが重要です。
ナレッジの見える化
ナレッジの整理整頓
ナレッジの更新・改善
形式知の共有を促進する具体的な方法としては、下記が挙げられます
社内ナレッジ共有システムの導入
コラボレーションツールの活用
ナレッジ管理の実施
ここがナレッジベースの構築、管理にあたります。
ナレッジ管理が機能すると、「暗黙知→形式知→形式知の共有」のサイクルが回せるようになります。
暗黙知の深化(Internalization)
SECIモデルの4つ目のプロセスである「暗黙知の深化(Internalization)」では、形式知を理解して自分のものにすることで、また「暗黙知」として蓄積できます。
具体的には、研修やOJT、自己学習などの活動を通じて、形式知を理解します。
このプロセスでは、下記のポイントが重要です。
実践
フィードバック
暗黙知の深化を促進する具体的な方法としては、下記が挙げられます。
研修の実施
OJTの実施
自己学習の促進
暗黙知の深化で、個人の経験や勘を蓄積し、各々の成長につなげられます。
暗黙知を蓄積していくことで、ナレッジの知見を高め、新たなナレッジの創造につなげます。
SECIモデルは、ナレッジ管理を成功させるためのフレームワークとして広く活用されています。このモデルを理解すれば、ナレッジの流れを把握し、効率的なナレッジ管理が実現できます。
ぜひSECIモデルを活用して、ナレッジ管理を導入してみてください。
ナレッジベース構築におすすめのツール
ナレッジを管理するナレッジベースに適切なツールは、さまざまな情報が集まるため、ドキュメントや動画など複数の形式のデータを一元で管理できるものがおすすめです。
ひとつ例を挙げると、「Notion(ノーション)」がおすすめです。
Notionは「コネクテッドワークスペース」と呼ばれる、既存ツールの便利な機能が集約され、情報を一元管理できるメモアプリです。
すべての機能がNotionにそろっているため、様々なツールを行き来せずに一元管理できる
エンジニアでなくても自分の作りたい仕組みを自由に作成して、情報をストックできる
フロー型ツールとの連携もできる
具体的には、議事録の管理をNotion上で行い発生したタスクを時差なく共有したり、Wiki機能を利用してマニュアルを作成し情報の鮮度を保ちながら管理したりできます。
さらに、NotionにはAIも実装されているため下記のようなシーンでも、暗黙知が自動で形式知に換えられます。
議事録をNotion上で作成し、会議中に話し合われた内容をNotion AI要約で自動で生成する
業務で得た知見をNotion上でメモし、メモ中に抽出したキーワードを Notion AI検索で簡単に検索できるようにする
このようにNotion AIを利用すれば、さらにナレッジ管理を成功させやすくなります。
ナレッジベースを構築するための機能がすべてそろっているのが、「Notion」です。
まとめ
チームが大きくなればなるほど、ナレッジ管理の重要性は高まります。
ナレッジ(知識)を共有・管理する
ナレッジベースの導入は組織の風土や文化、業務フローに合わせたカスタマイズが必要
フロー情報からストック情報を取り出し、ナレッジとして貯める
ナレッジ創造はSECIモデル(暗黙知→形式知)を活用すると成功しやすい
ナレッジ管理はある程度のコミットとリソースが必要なため、導入のハードルが高いです。それを乗り越えて、管理が導入できれば業務効率がグンと上がります。
ナレッジ管理をする際には、本記事を参考にしてみてくださいね。
▼ストックとフローについて【動画】
フローとストック、情報の特性を正しく理解できてますか?【Notion】
Notionでナレッジベースを構築したいならノースサンド
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