【Notion新機能】関数 2.0 を徹底解説!
~ 仕事効率を向上させる関数の活用法 ~
2023年10月23日
個人のみならずチームでNotionを使う際に、データベースは非常に便利で欠かすことのできないNotionの機能の1つです。
データベースでは、「プロパティ」というデータを分類する項目があり、それぞれ自由に「プロパティ」を定められます。
例えば、プロジェクト管理では「期日」など期限感を把握する必要があります。その際には、「日付」プロパティを活用するとスケジュール管理ができます。さらに、「関数」プロパティを使えば、タスクの期限までの残り日数や予算の合計、プロジェクト進捗率なども把握が可能です。
使いこなすと非常に便利な関数プロパティですが、今回はその関数のバージョンアップ版「関数2.0」がついにリリースされました。新たにできるようになったことや、ユースケース・活用事例の紹介をしながら解説していきます!
「関数 2.0」を理解すれば、より詳細で効率的なデータベースでの管理ができます。
Notionの導入をご検討の方や具体的に何ができるのか興味がある方は参考になると思いますので、ぜひ最後までチェックしてみてください!
関数 2.0 とは?
端的に言うと関数機能のアップデートです。
今回のバージョンアップデートによって、大幅にユーザーエクスペリエンスが改善されました。
関数の数式の記述の簡易化
関数でのアウトプットに含まれるプロパティの種類の追加
関数でダイレクトでアクセスできるプロパティと情報の増加
大きく3つの変化点がありますが、関数を組む際に数式を作りやすくなり、より様々なプロパティでのアウトプットが可能になったのが今回の「関数 2.0」の大きな内容です。
今までの関数の使い方について解説している動画がありますので、こちらもご参考ください!
▼関数使い方講座
Notionの“関数機能”を公認コンサルタントが徹底解説!
関数 2.0によって今までと変わったところとは?
今回「関数 2.0」で追加された新機能の解説の前に、以前からあった関数機能で変わったところについて紹介いたします!
主に以前と変化した内容は以下の通りです。
エディタがより使いやすくなった
プロパティ参照の変更
一部関数数式の変更
新しい関数の追加
「関数 2.0」以前の関数の使い方から大きく変更があり、よりユーザービリティが向上されました。ここからひとつひとつ内容を確認していきましょう。
エディタのユーザビリティが向上
上記にある通り、関数 2.0によりエディタの使いやすさが飛躍的に向上しました!
大きなアップデート内容は3つです。
関数の結果出力をリアルタイムで表示
エラー箇所が明白に
スペース、改行、コメントが可能に
エディタの改良によって関数の出力をリアルタイムで確認でき、エラーメッセージも明白に表示されるようになったので、より正確に効率的に関数を組むことができるように。
またコーディングを経験した人にはお馴染みではありますが、エディタにコメントを残すことも可能になり、空欄や改行も使うことでよりミスを防止することが実現しました!
プロパティ参照の変更
今まで関数でプロパティの指定をする時は、「prop(”プロパティの名前”)」というように記述する必要がありました。「関数 2.0」では、プロパティを指定するときに「prop」という記述は必要なくなり、プロパティを直で指定できるようになりました。
以前:prop(”商品価格”)
現在:商品価格
一部数式の変更
今まで大小の関係を表す不等式である「larger」「largerEq」「smaller」「smallerEq」の数式は廃止され、以下の不等式の記号で表せられるようになりました!
「 >, <, >=, <= 」
新しく追加された関数
新しく追加された関数には、今までできなかったものや実現するには難しい関数を組むことが必要でしたが、今回追加された関数によってより簡易な数式でアウトプットできるようになりました。
ifs関数
ifs関数は、いくつかの条件と条件式を設定することができ、様々な分岐で結果を出力することができます。if関数のみで数式を組み立てると複雑で見づらいところがありましたが、ifs関数では煩雑な記述をする必要がなくなったので、よりわかりやすいようになりました。
style関数
style関数は、関数の出力結果の書式スタイルをカスタムすることができる関数になります。データベースで強調したいことやレイアウトの観点できれいな見栄えにすることができます。
link関数
link関数は、今までURLの状態で貼り付けていたものが、文字にURLを結びつけてハイパーリンクのような状態に変更することができます。
今回紹介した以外にも、関数 2.0で追加された関数は複数存在します。
関数 2.0で追加された新機能とは?
今回のアップデートで追加された機能は大きく4つです。
関数からワークスペースレベルの情報を取得
よりリッチなデータ型のアウトプット
ロールアップせずにリレーションされたデータベースを参照
let関数
関数 2.0で追加された新機能については、ここから各々解説していきます!
関数からワークスペースレベルの情報アクセス
文字通りに関数でワークスペースレベルの情報にアクセス可能に。
今までワークスペースレベルの情報は、個別でプロパティを設けて表示する必要がありましたが、関数で呼び出せます。
今回増えた参照できるワークスペースレベルの情報は次の通りです。
ページ作成者
ページ作成日時
ページ更新者
ページ更新日時
今まで独自にプロパティを用意して表示し管理する情報でしたが、関数の機能によって標準的にこれらの情報を取得が可能になり、データベースのスリム化だけでなく以前より容易にデータベースの管理ができるようになりました。
リッチなデータ型のアウトプットが可能に!
これまでの関数機能では「テキスト」をアウトプットとして返すようになっていましたが、リストを返すように。
リストを返すことによって、これまで複雑だった関数の記述をより簡易化できるようになりました。
ロールアップなしでリレーショナルデータベースの参照
リレーションで繋いだデータベースは、「ロールアップ」プロパティを用意してようやくリレーションしたデータベースから必要な情報を参照できるのが以前の状態でした。関数 2.0 では、「ロールアップ」プロパティを設定せずに関数でリレーション先のデータベースの情報を取得することが可能になりました!
以下はリレーションされたデータベースから必要な情報を取得する関数です。
prop("リレーション先DB名").map(current.prop("リレーション先DBのプロパティ名"))
後ほど紹介しますが、例えば「商品価格データベース」と「商品在庫データベース」があり、価格と在庫を掛け合わせた合計金額を出したい時などに役立ちます!
データベースとリレーションするだけでロールアップなしで情報を取得し、様々な計算に使用できます。今回のアップデートでも注目の機能です。
変数を扱える「let」「lets」関数
「let」「lets」ともに関数内で変数を定義し、扱えるようになりました。
関数の使い方として次になります。
let(変数名, 変数, 変数を使用した数式)
簡単な例ですが、データベースで商品価格を管理する時に「税抜き価格」から「税込価格」を出したい場合、次のように関数を組むことができます!
let(tax, 1.1, 価格*tax)
このように表すことができます。今後税率が変わったとしても「変数」だけを変更すればいいので非常に便利です。また「lets」の場合は「let」と違い複数の変数を設定できます!
lets(変数名1, 変数1, 変数名2, 変数2, …, 変数を使用した数式)
製品の原価計算などの複雑に変数が考慮される計算に「lets」は対応しています。こちらは一例ですが、ビジネスのあらゆるシーンにおいて数値上で管理することは多いと思いますので、ぜひご活用ください!
関数 2.0を使った関数のユースケース
在庫管理のユースケース
在庫管理の例として、「価格」と「在庫」それぞれデータベースが用意されていることを想定として紹介いたします。
このときに、税込価格や在庫の合計金額を求めたい場合に「let関数」やロールアップなしでのデータベース参照が活用できます。
「let関数」「lets関数」は変数を定義できるので、例えば「消費税率」や「手数料率」など今後変化がありそうなものを設定すると今後、税率や手数料率が変わったときに関数で定義された値を新しい値に置き換えるだけなので、メンテナンスが非常に簡単になります!
let(tax, 1.1, prop("価格")*tax)
そして、リレーションされた「在庫」データベースからロールアップなしで「在庫数」の情報を取得し、合計の価格を簡単に導き出すこともできます。
Notionでの在庫管理方法についてはこちらも参考にしてみてください!
▼Notion在庫管理方法
【9割が知らない】Notion × QRコードで、在庫管理が"驚くほど"便利に!
売上高の管理でのユースケース
もし会社の「売上高」と「売上増加率」の管理を別のデータベースで行なっていた場合を想定した場合、次のように関数を組んで表すことができます!
複雑にしていますが、リレーションしたデータベースから「売上高」の情報だけを拾い、対前期から当期までの売上増加率を導き出しています。
round( ( (prop("売上高").map(current.prop("売上高")).sort().at(1) - prop("売上高").map(current.prop("売上高")).sort().at(0)) / prop("売上高").map(current.prop("売上高")).sort().at(1) ) * 100 ) / 100
リレーションしたデータベースから様々なデータを取得できるので、データベース別で管理していたものが分かれる場合でも容易にアウトプットできます!
「関数 2.0」によって、リストを返すようになったので、リストから特定の順番のデータを取得し、関数で結果をアウトプットできるようになりました!
手数料率の管理と売上管理でのユースケース
銀行やクレジットカードの支払いなど手数料が発生することに関しては、「売上」データベースと「手数料率」データベース各々で管理されているときを想定します。
例えば、店舗の売上が一定以上になった場合の「手数料率」と、それ以外で「手数料率」が変わってくる時に「関数 2.0」追加された「ifs関数」も活用すると場合別に計算を実行できます!
ifs(prop("売上(月)")>=50000000,prop("売上(月)") * (prop("手数料率DB").map(current.prop("手数料率A")).at(0)), /*月売上5千万以上の時の手数料*/ prop("売上(月)")>=40000000,prop("売上(月)") * (prop("手数料率DB").map(current.prop("手数料率A")).at(1)), /*月売上4千万以上の時の手数料*/ prop("売上(月)")>=30000000,prop("売上(月)") * (prop("手数料率DB").map(current.prop("手数料率A")).at(2)), /*月売上3千万以上の時の手数料*/ prop("売上(月)")>=20000000,prop("売上(月)") * (prop("手数料率DB").map(current.prop("手数料率A")).at(3)), /*月売上2千万以上の時の手数料*/ prop("売上(月)")>=10000000,prop("売上(月)") * (prop("手数料率DB").map(current.prop("手数料率A")).at(4)), /*月売上1千万以上の時の手数料*/ prop("売上(月)")<10000000,prop("売上(月)") * (prop("手数料率DB").map(current.prop("手数料率B")).at(0))) /*月売上1千万未満の時の手数料*/
関数 2.0で追加された「ifs関数」とリレーションされたデータベースから情報を取得して数式を作成すると、条件分岐が簡易に記述できるので、よりフレキシブルなデータベースでのマネジメントが実現できます。
ぜひ、関数 2.0について理解を深めるヒントやきっかけの一助となればと思います。
Notionでは上記の他にも様々な用途にあった使い方ができます!
以下の動画も参考になるのでぜひご覧ください。
▼Notionで予算管理を行う方法
Notionで"予算管理"しませんか?🏦
▼Notionプロジェクト管理
【WBS】Notionでプロジェクト管理したい方は絶対に観てください👨🏻💻
まとめ
Notionの関数機能のアップデートである「関数 2.0」いかがでしたでしょうか?
どうしても関数自体にとても難しいイメージを持ってしまいがちですが、一度使い慣れてしまえば個人のみならずビジネスでのあらゆるシーンで効率化を実現させ、さまざまな数値を管理する場合にもよりスピーディーに正確にアウトプットしてくれます。
私たちノースサンドはお客様のNotion導入をスムーズに行うためのサポートや、導入後の運用サポートやコンテンツも行なっています!
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