【Notion新機能】関数 2.0 を徹底解説!
~ 仕事効率を向上させる関数の活用法 ~
2023年10月23日(2025年3月28日更新)
チームでNotionを使う際に、データベースは便利で欠かすことのできないNotionの機能の1つです。
データベースでは、「プロパティ」というデータを分類する項目があり、それぞれ自由に割り当てることができます。例えば、プロジェクト管理では「期日」など期限感を把握する必要があります。
その際、「日付」プロパティを活用するとスケジュール管理ができます。さらに、「関数」プロパティを使えば、タスクの期限までの残り日数や予算の合計、プロジェクト進捗率なども設定が可能です。
関数プロパティですが、今回はバージョンアップ版「関数2.0」がリリースされました。新たにできるようになったことや、ユースケースを交えながら解説していきます。
関数 2.0 とは?
関数2.0は、端的に言うと関数機能のアップデートです。これにより、大幅にユーザーエクスペリエンスが改善されました。
関数の数式で扱う記述の簡易化
関数のアウトプットに含まれるプロパティの種類の追加
関数でダイレクトにアクセスできるプロパティと情報の増加
こうした3つのアップデートにより、関数を利用する際に数式を作りやすくなり、より多くのプロパティでアウトプットができるようになりました。
今までの関数の使い方についてはこちらもご参考ください!
▼関数使い方講座
Notionの“関数機能”を公認コンサルタントが徹底解説!
関数2.0のバージョンアップによる変更点
「関数 2.0」で追加された新機能において、これまでの関数機能から変わった点についてみていきましょう。具体的に以下の4つのポイントで紹介していきます。
エディタの使い勝手が向上
プロパティ参照の変更
一部の関数数式の変更
新しい関数の追加
エディタの使い勝手が向上
1つ目は、関数 2.0によりエディタの使いやすさが飛躍的に向上したことです。
大きなアップデート内容は3つです。
関数の結果出力をリアルタイムで表示
エラー箇所の表示が明確化
スペース、改行、コメントの記載が可能
エディタの改良によって関数の出力をリアルタイムで確認でき、エラーメッセージも明示されるようになったので、より正確に効率的に関数を組むことができるようになりました。
また、エディタにコメントを残すことも可能になり、空欄や改行を利用することで、よりミスを防ぐことができるようになりました。
プロパティ参照の変更
今まで関数でプロパティの指定をする時は、「prop(”プロパティの名前”)」というように記述する必要がありました。「関数2.0」では、プロパティを指定するときに「prop」という記述は必要なくなり、プロパティを直接指定できるようになりました。
バージョンアップ前:prop(”商品価格”)
バージョンアップ後:商品価格
一部の関数数式の変更
今まで大小の関係を表す不等式である「larger」「largerEq」「smaller」「smallerEq」の数式は廃止され、次のような不等式の記号で表すことができるようになりました。
「 >, <, >=, <= 」
新しい関数の追加
新しく追加された関数には、今までできなかったものや、実現には難易度が高い関数を組むことが必要でしたが、より簡易的な数式でアウトプットできるようになりました。
ifs関数
ifs関数は、いくつかの条件と条件式を設定することができ、さまざまな分岐で結果を出力することができます。if関数のみで数式を組み立てると複雑で見にくいところがありましたが、ifs関数では煩雑な記述をする必要がなくなったので、よりわかりやすくなりました。
style関数
style関数は、関数の出力結果の書式スタイルをカスタマイズすることができる関数です。データベースで強調したいことや、レイアウトの観点で見栄えを改善することができます。
link関数
link関数は、今までURLの状態で貼り付けていたものが、文字にURLを結びつけてハイパーリンクのように変更することができます。
今回紹介したアップデート内容のほかにも、関数 2.0で追加された関数は数多くあります。
関数2.0のバージョンアップで追加された新機能
今回のアップデートで追加された機能は大きく4つです。
関数からワークスペースレベルの情報を取得
よりリッチなデータ型のアウトプットが可能
ロールアップせずにリレーションされたデータベースを参照が可能
変数を扱える「let」「lets」関数
関数 2.0で追加された新機能について、詳しく説明していきます。
関数からワークスペースレベルの情報を取得
文字通りに関数でワークスペースレベルの情報にアクセスができるようになりました。今までワークスペースレベルの情報は、個別でプロパティを設けて表示する必要がありましたが、今回のアップデートでは関数で呼び出せます。参照できるワークスペースレベルの情報は次の通りです。
ページ作成者
ページ作成日時
ページ更新者
ページ更新日時
今まで独自にプロパティを用意して表示し管理する情報でしたが、関数の機能によって、標準的に取得できるようになり、データベースのスリム化だけでなく、容易にデータベースの管理ができるようになりました。
よりリッチなデータ型のアウトプットが可能
これまでの関数機能では「テキスト」をアウトプットとして返すようになっていましたが、リストを返すことによって、これまで複雑だった関数の記述をより簡易化できるようになりました。
ロールアップせずにリレーションされたデータベースの参照が可能
リレーションでつないだデータベースは、「ロールアップ」プロパティを用意してようやくデータベースから必要な情報を参照できるというものでした。関数 2.0 では、「ロールアップ」プロパティを設定せずに関数でリレーション先のデータベースの情報を取得することができるようになりました。
次に紹介するのは、リレーションされたデータベースから必要な情報を取得する関数です。
prop("リレーション先DB名").map(current.prop("リレーション先DBのプロパティ名"))
prop("リレーション先DB名").map(current.prop("リレーション先DBのプロパティ名"))
例えば、「商品価格データベース」と「商品在庫データベース」があり、価格と在庫をかけ合わせた合計金額を出したい時などに役立ちます。
データベースとリレーションするだけでロールアップなしで情報を取得し、さまざまな計算に使用することができます。
変数を扱える「let」「lets」関数
「let」「lets」ともに関数内で変数を定義し、扱えるようになりました。関数の使い方として次のようになります。
let(変数名, 変数, 変数を使用した数式)
簡単な例ですが、データベースで商品価格を管理する時に「税抜き価格」から「税込価格」を出したい場合、次のように関数を組むことができます。
let(tax, 1.1, 価格*tax)
このように表すことができます。今後税率が変わったとしても「変数」だけを変更すればいいので非常に便利です。また、「lets」の場合は「let」と違い複数の変数を設定できます。
lets(変数名1, 変数1, 変数名2, 変数2, …, 変数を使用した数式)
製品の原価計算など、複雑に変数が登場する計算に「lets」は対応しています。
関数2.0を使った関数のユースケース
在庫管理のユースケース
在庫管理の例として、「価格」と「在庫」それぞれデータベースが用意されていることを想定として紹介いたします。
その際、税込価格や在庫の合計金額を求めたい場合に「let関数」やロールアップなしでのデータベース参照が活用できます。
「let関数」「lets関数」は変数を定義できるので、例えば「消費税率」や「手数料率」など今後変化がありそうなものを設定すると、今後、税率や手数料率が変わったときに関数で定義された値を新しい値に置き換えるだけなので、メンテナンスが非常に簡単になります。
let(tax, 1.1, prop("価格")*tax)
そして、リレーションされた「在庫」データベースからロールアップなしで「在庫数」の情報を取得し、合計の価格を簡単に導き出すこともできます。
Notionでの在庫管理方法についてはこちらも参考にしてみてください!
▼Notion在庫管理方法
【9割が知らない】Notion × QRコードで、在庫管理が"驚くほど"便利に!
売上高の管理でのユースケース
もし、会社の「売上高」と「売上増加率」の管理を別のデータベースで行っていた場合、次のように関数を組んで表すことができます。
複雑にしていますが、リレーションしたデータベースから「売上高」の情報だけを抽出し、対前期から当期までの売上増加率を導き出しています。
round( ( (prop("売上高").map(current.prop("売上高")).sort().at(1) - prop("売上高").map(current.prop("売上高")).sort().at(0)) / prop("売上高").map(current.prop("売上高")).sort().at(1) ) * 100 ) / 100
リレーションしたデータベースからさまざまなデータを取得できるので、データベース別で管理していたものが分かれる場合でも容易にアウトプットできます。
「関数 2.0」によって、リストを返すようになったので、リストから特定の順番のデータを取得し、関数で結果をアウトプットできるようになりました。
手数料率の管理と売上管理でのユースケース
銀行やクレジットカードの支払いなど手数料が発生することに関しては、「売上」データベースと「手数料率」データベースをそれぞれ管理されているときを想定します。
例えば、店舗の売上が一定以上になった場合の「手数料率」と、それ以外で「手数料率」が変わる際に、「関数 2.0」追加された「ifs関数」も活用すると場合別に計算を実行できます。
ifs(prop("売上(月)")>=50000000,prop("売上(月)") * (prop("手数料率DB").map(current.prop("手数料率A")).at(0)), /*月売上5千万以上の時の手数料*/ prop("売上(月)")>=40000000,prop("売上(月)") * (prop("手数料率DB").map(current.prop("手数料率A")).at(1)), /*月売上4千万以上の時の手数料*/ prop("売上(月)")>=30000000,prop("売上(月)") * (prop("手数料率DB").map(current.prop("手数料率A")).at(2)), /*月売上3千万以上の時の手数料*/
関数 2.0で追加された「ifs関数」と、リレーションされたデータベースから情報を取得して数式を作成すると、条件分岐が簡易に記述できるので、よりフレキシブルなデータベース管理が実現できます。
Notionでは、紹介した以外にもさまざまな用途にあった使い方ができます。
こちらの動画もぜひご覧ください。
Notionで"予算管理"しませんか?🏦
▼Notionプロジェクト管理
【WBS】Notionでプロジェクト管理したい方は絶対に観てください👨🏻💻
まとめ
Notionの関数機能のアップデートである「関数 2.0」。関数自体に難しいイメージを持ってしまいがちですが、一度使い慣れてしまえばビジネスでのあらゆるシーンで効率化を実現させ、さまざまな数値を管理する場合にも、よりスピーディーに正確にアウトプットしてくれます。
私たちノースサンドはお客様のNotion導入をスムーズに行うためのサポートや、導入後の運用サポートやコンテンツも行っています。Notionですぐにお使いいただけるテンプレートもありますのでぜひ活用ください!
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「関数 2.0」のアップデートを契機に、数値分析やビジネスプランの軌道修正のための数値管理などに関数を活用し、よりビジネスの生産性を高めてはみてはいかがでしょうか。
Notionついてお気軽にノースサンドにお問い合わせください
ノースサンドでは、Notion 企業導入にや導入後のワークスペースの設計や運用など、さまざまなサポートを行っています。新たに登場した「関数 2.0」について、より具体的に知りたい場合や関数を使った運用を実現させたい場合のみならず、Notion 企業導入をご検討の方や、Notionについて疑問をお持ちの方は、ぜひノースサンドにお問い合わせください。
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