Notion AIで仕事の質を向上: 良質なインプットで高品質なアウトプットを生む
近年、AI(人工知能)の進化が目覚ましく、その影響は我々の日常生活や職場環境にまで及んでいます。この革新的な技術は、情報収集や作業プロセスを劇的に変革し、効率的でスムーズな操作を可能にしています。
「Notion AI」も、その一例です。
このAIツールは、データ管理から業務の自動化まで、幅広い機能を提供しています。仕事の生産性を向上させるための強力なツールとなり得るだけでなく、作業の効率化やタスク管理の精度向上にも大きく寄与する可能性を秘めています。
本記事では、Notion AIを駆使して質の高いインプットを集める方法、また質の高いアウトプットを生み出す方法について、詳しく解説していきます。
1. アウトプットとは
まずは「アウトプット」について理解しましょう。アウトプットとは、得た情報を加工し新しい情報を生み出すことです。独自の視点やアイデアを創出し、成果を出すためには、確固たる知識の基盤が必要となりますが、それは質の高い情報のインプットから始まります。
つまり、高品質なアウトプットを形成するためには、良質なインプットが必要不可欠なのです。
AIがない時代なら、インターネットや各種ファイル、業務ツールなど、さまざまな場所から集めたインプットをスプレッドシートやスライドに転記し、整形を繰り返してアウトプットしていました。
しかし、AIテクノロジーに簡単にアクセスできる現代では、情報収集から新たな情報の生成までのプロセスを格段に効率的に処理することが可能になっています。AIは膨大な情報を素早く集約し、それを基に有益な知識や洞察といった、ユーザーにとってのインプットとなる情報を生成できます。さらに、AIは集めた情報を基に、ユーザーのプロンプトに従ってニーズに合わせた高品質なアウトプットを迅速に生成することもできます。
では、Notion AIはどうでしょう? Notionはただの情報保管庫ではなく、新たなアイデアを生み出す作業が行われるプラットフォームでもあります。その中で直接AIを活用できる「Notion AI」なら、インターネットやNotion内の情報を自分へのインプットとして活用し、さらにそれを多様な手法でアウトプットさせることができます。効率的なインプットと多彩なアウトプット、その両方がNotion AIで実現できるのです。
2. インプット: Notion AIで情報収集の工数を大幅カット
では、Notion AIの機能を使って、Notion内に居ながらにして質の高いインプットを簡単に得る方法について見ていきましょう。ここでは、とかく時間がかかりがちな情報収集を短時間でおこなうことに焦点を当てて解説します。
「Notion AI」に質問して、インターネットから情報を得る
空のブロックで、スペースキーを押す。Notion AIは、たったこれだけで呼び出すことができます。そこに自然な人間の言葉で質問を入力すると、欲しい情報をインターネット上からNotion AIが探して、わかりやすくまとめてくれます。わざわざブラウザを開いて、検索キーワードを試行錯誤し、広告だらけの記事を山ほど閲覧せずとも、必要な情報だけをすばやく簡単に得ることができるのです。
また、AIが生成したアウトプットはそのままNotionページに残すことができるため、作業中のページを一切離れることなく、効率的に作業を進めることができます。
「Q&A」に質問して、ワークスペース内から情報を得る
Notion画面の右下、通常なら「 ?
」アイコンが表示されている箇所は、AIの契約を開始すると「 ✨
」のようなアイコンに変わります。ここをクリックすると現れるのが「Q&A」機能です。
Q&Aを使うと、そのワークスペース内で自分がアクセス権を持っているすべてのページから、質問事項に対する答えを検索してきてくれます。
Q&Aの回答には、ワークスペース内の関連情報を含むページのリンクがあり、ポップアップでプレビューも表示されます。リンクをクリックするとそのページにジャンプするため、欲しい情報を含むページに簡単にたどり着くことができ、ワークスペース内での情報検索が一段とスムーズになります。
AIで重要なポイントを抽出する
インプットに使えそうな長文がNotion内にあるなら、Notion AIに要約を依頼することもできます。たとえば、Webクリッパーで難しそうな記事をNotionに保存しているとしましょう。そのページを開いてスペースキーを押せば、AIメニューの「要約する」で簡単にポイントをまとめられます。
内容がそれでも難しければ、今度はAIの応答部分を選択して「シンプルな表現に書き換える」ことも可能です。同様に「短くする」や「説明を付ける」などを使って、自分がすんなり理解できる内容にすることで、膨大な情報もほんの数クリックで一口サイズの情報に要約することができ、アウトプットに必要なインプットをまずは集める、という行動にかかる時間の大幅な短縮につながります。
実際、上記のWikipediaの6,000文字近いWebクリップをAIで「要約する」+「シンプルにする」だけで、250文字程度まで短縮することができました。一般的な読書スピードは1分あたり400~600文字程度といわれているため、本来なら読了に10~15分かかるはずの記事を、1分かからずに読める分量まで要約できたことになります。
「AI自動入力」で情報量の多いデータベースをまとめる
仕事でヘビーユースしているデータベースは、情報量が多くなりがちです。データベースページ内にたくさんの情報が入っている場合、たとえばリサーチ文献が大量にあったり、部内の多数のミーティングの議事を毎日確認したりといった場合、いちいちページを開かないと情報を取り出せないのは、骨の折れる作業です。
ですがAI自動入力プロパティを使えば、自力で有益な情報を探す努力をせずとも、AIが文字通り自動的に望む情報をデータベースプロパティにまとめておいてくれます。
上記のようにカスタムプロンプトでAIに出力させたい内容を定義するほか、要約や翻訳などの機能も利用できます。これらを使えば、たとえばコンテンツがすべて英語で取り仕切られているグローバルプロジェクトで、日本チーム向けダッシュボードにAI自動入力プロパティで日本語要約を出しておく、といった活用も可能です。
AI自動入力を活用して、データベースの情報を自分が迅速に確認できる形に整形しておくことで、インプット作業にかかる負荷を大幅に削減することができます。
Tips:外部ツールを埋め込んで、切り替えコストを極小化
本記事の趣旨とは少々ずれますが、Notionには多種多様な外部ツールを埋め込むことができます。GoogleスプレッドシートやPDF、Slackメッセージ、音声や動画のファイルなど、作業中のコンテンツに関連する情報を一か所にまとめて埋め込んでおけば、欲しい情報が入っているツールに移動して、探して、コピペして…という手間をすべてカットできます。
AI機能ではないですが、ほとんど “ユニバーサル” といってもいいほど幅広い埋め込みが可能である点も、Notionを作業のプラットフォームにする大きなメリットといえるでしょう。
3. アウトプット: Notion AIで作業スピードを大幅アップ
それでは次に、Notion AIで質の高いアウトプットを生成する方法について見ていきましょう。まずはAIで大枠を生成し、そこから徐々に成果物のクオリティを上げていく手法を紹介します。
初稿をAIにを書いてもらう
たとえば本記事のような、長い文章を書くと想定しましょう。このような場合には、まずAIにドラフトを生成させることが可能です。空のブロックでスペースキーを押してAIを呼び出し、以下のようなプロンプトでラフ案を書いてもらうのです。実際この記事も、1,000文字にも満たないような箇条書きの雑なメモと以下のプロンプトから書き始めました。
# 依頼内容
「原案」セクションの内容、構成に沿って、Notion AIの活用方法に関するブログ記事を執筆してください。## ターゲット読者
- そもそもAIをあまり使ったことがない
- Notion自体をもっと活用できるようになりたい
- 仕事の効率化や生産性アップに興味がある## 前提条件
・ブログ記事は日本語で日本人向けに書いてください。
・ブログ記事は最低でも3000文字の文字数で執筆して下さい。
・SEO対策を意識した記事にしてください。流入を獲得したい検索キーワードは以下です。
検索キーワード:「Notion」「Notion AI」「Notion Q&A」
もちろんそこから修正は必要ですが、なかなか着手するのも億劫な作業をキックスタートするにはお勧めの手段です。一度AIで数千文字の初稿が出来上がれば、何もないまっさらなページを眺めているより、はるかに気が楽になります。
「ライティングアシスタント」のプリセット機能を使い倒す
NotionのAIライティングアシスタント(AIライターとも呼ばれます)は、インプットの章でも触れたように、選択した文字列に対するさまざまな編集ができます。
インプット目的で長文を要約したりするだけではなく、アウトプットしたいコンテンツの誤字脱字チェックや文章の長さの調整、トーン(語調)の変更、翻訳、複雑な文章のシンプル化、難解な言葉の説明追加など、さまざまなプリセット機能があります。
たとえば「長くする」なら、ワンクリックで元の文章の2~3倍の長さになります。その出来に納得がいかなければ、その続きで「シンプルな表現に書き換える」「続きを書く」などすれば、ものの数秒でどんどん思い通りの文章に近づいていきます。
こうして納得のいく出来に近づいたら、「選択範囲を置き換える」「下に挿入」などのボタンで、AIが生成した文章を本編に直接組み込むことができます。
つまり、
Notion内の情報をベースに、
Notion AIに作成・編集を依頼し、
その結果をそのままNotionページに反映する
ことができるのです。ページ遷移やツール切り替えの必要がないだけで、集中力を削がれることなくなり格段にスムーズに作業を進めることができます。
プロンプトでフォーマットを整えてもらう
プリセット機能は文章のクオリティを上げるのには役立ちますが、記載の形を変えるためのメニューはありません。そのため、フォーマットを整えたい場合はプロンプトで指示をすることになります。実際にいくつか例を見てみましょう。
文章をもとに、箇条書きや番号付きリスト、チェックリストなどのフォーマットを整えることができます。
また、指定した形のシンプルテーブルに整形することも可能です。直接データベースに成型することはできませんが、シンプルテーブルの左側の「 ⋮⋮ 」メニューからすぐに変換できます。
日付や単位などの表記を統一することも可能です。
指定した単語の一斉置換も可能です。
プロンプトといっても、このように対象箇所を選択して簡単な指示を書くだけです。文章全体を対象とした複雑な変更を依頼するよりも、対象を絞って的確な指示を与えるほうがスムーズに事が進みます。
概要をもとに初稿をAIに生成してもらい、プリセット機能やプロンプトでサクサク指示を飛ばしてどんどん成果物を理想の形に近づける。なまじ人に依頼するよりも、はるかに精度が高く、仕事も早く、誤字脱字もない。あとはそれをもとに、人間が最後の微調整をするだけでスピーディにアウトプットが出来上がります。
4. Notion AIを仕事の相棒に
本記事では、Notion AIの機能とその活用方法について詳しく解説しました。収集した情報を効率的に処理し、有益な知識や洞察を得るためのインプットも、そしてそれを基にニーズに合わせた高品質なアウトプットを生成することも、Notion AIの力を借りれば、これらの一連のプロセスが大幅に効率化され、より高品質な結果を得ることが可能になります。
AIで80~90%の出来まで持っていったら、あとは自分の感性とスキルを以てして納得のいく100%を目指して整えるだけ。情報収集からアウトライン検討、下書き作成、フォーマット編集まで、すべて手作業でこなすのに比べたら、どれだけ多くの時間が短縮できるか、想像に難くないと思います。
Notion AIは、仕事を劇的に効率化し、生産性を向上させる強力なツールです。詳細な情報収集からアウトプット生成まで、一人でやらなければならないと思うと気が重いですが、スペースキーひとつで気軽に呼び出せる心強い味方が、Notion AIです。
あなたの仕事の頼れるバディに、Notion AIを迎えてみてはいかがでしょうか。
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