社内でOfficeファイルは作らない
Notionは社内での新たな共通言語
- ネクストモード株式会社 -
ネクストモード株式会社はNTT東日本とクラスメソッドが共同出資のもと、2020年7月に新たに設立された企業。ネクストモードは、さまざまなクラウド技術や製品を組み合わせた、パブリッククラウドの導入コンサルティング・保守運用を主な事業とし、「クラウドであたらしい働き方を」をコンセプトとして掲げ、企業の競争力向上と新しい働き方をサポートする新会社です。
新たな企業としてナレッジ管理ツールが必要とされるなかで、なぜNotionを選んだのか、Notionを選んだ結果どのような変化があったかを、社内へのNotion導入をリードしていた島川さん、久住さんにお聞きしました。
ネクストモード株式会社 インテグレーション事業部
島川 寿希也 さん
ネクストモード株式会社 インテグレーション事業部
久住 陽介 さん
サマリ
会社立ち上げのナレッジ管理ツールとして迅速な導入が必要であった。
UIや機能、コンセプトに惚れ込み情報共有ツールは迷い無く決定された。
現在ではNotionが社内の共通言語となり、不要なOfficeファイルがなくなった。
社内の情報はすべてNotionに集約されており、繰り返し説明することがなくなった。
レイトマジョリティへのクラウドシフトをサポート
— まずは貴社の事業内容について教えてください。
島川さん :
ネクストモードという会社はNTT東日本とクラスメソッドの共同出資で2020年7月に設立されました。私たちはその2社のいいところを取ってお客様に価値を提供する会社です。主な業務としてはパブリッククラウドを起点としたコンサルティングや構築、運用保守サービスなどをトータルで提供しています。設立したての企業ですので、その建て付けも私たちで実施しています。
幸いなことに需要はとても多く、最近クラウドへの移行に注目している、いわゆるレイトマジョリティと呼ばれる企業様へのマイグレーション案件、つまりオンプレミスからクラウドへのマイグレーション案件。そういった層をメインターゲットにしています。
私はオンプレをクラウドに移行していきたい想いを持っていました。元々所属していたクラスメソッドという会社はどちらかというと、クラウドを活用してお客様を加速させるのが得意領域です。ですので、最先端を突き詰める事が多いのですが、ネクストモードはトラディショナルな企業様に対して、レガシーなアーキテクチャからクラウドへ底上げを実施している会社です。
久住さん:
私も同じ事業部ですが、先ほどのお客様の中でもデジタル化、DX推進に注力しています。最近はSaaSの提案などを中心に実施しています。
— チーム構成について教えてください。
久住さん:
正社員で20名ほど、パートナーを含めると30人少々です。
島川さん:
20代~40代までいて、20代も結構多いです。 良い物は何でも取り入れる文化です。
元々いたクラスメソッドには、Dvelopers と呼ばれるブログがあり、なんでも情報をアウトプットして社内、社外に関係なくオープンに情報共有しています。ネクストモードではこのカルチャーを引き継ぎたく、なるべく勉強会も細かく実施しています。それぞれの得意分野で勉強会を実施しあうことで楽しく仕事してます。
久住さん:
私のルーツはNTT東日本にあるので、逆にクラスメソッドの文化は外から触れていてとても良いなと思っていました。
クラスメソッドの文化をうまく取り入れつつ、私の環境でよかった部分をさらに融合させていっています。私はNotionを含めた社内システムの導入も実施していました。文化を醸成するところは一番大変でしたが何もない状態で全部整備したので、とても面白かったです。
あえてNotionという新たなツールを選択
— 以前の情報管理はどのような方法で実施していましたか?
久住さん:
私の以前の環境だと自分たちで作った社内システムを使ってノウハウを共有していてとても大規模でした。全体で共有するもの、支店ごとに共有するもの、それぞれナレッジを管理するシステムが多数乱立していました。情報量も多かったですが、その分リンクが数珠つなぎになって結局リンク切れも結構ありました。
島川さん:
私の以前の環境ではConfluenceでWikiはやっていました。ただとある部門で一部Notionを取り入れてもいます。並行併用している形だと思います。
ネクストモードでいうとゼロからのスタートだったので、比較的に自然とNotionを導入できました。
— 何でNotionを知り、何が導入の決め手になりましたか?
島川さん:
すべての機能がストレス無く使える点、リアルタイムで同期が出来ることが決め手でした。
日本っぽい感じなのですが、いい意味でよくあるサービスは編集モードにしてから編集が始まります。間違って消す事をできるだけ少なくするために設計されていると思います。
Notionは違います。書き始めるまでのステップが最小限になっています。そういった点が私は好きでした。消えても簡単にもどせるし、 ”情報を作る方を中心に作られたUI” でクリエイティブなツールになっているのが、気に入りました。
Notionを知った経緯は、クラスメソッドでの勉強会です。最初をたどるとSlackチャンネルが初まりみたいです。Slackチャンネルから勉強会を開始し、徐々に社内で広まっていき、その流れで私も知りました。
より詳細に調べていくなかで、Npedia を見ていました。
「Notion、こんな解説を作っているのか、優しいな」と思っていました。よく見たらノースサンドさんが作っていたのですが(笑)
ノースサンドさんでNotionのサポートをしていると拝見したので、声を掛けさせていただき導入へと向けて進みました。
Notionが社内での共有言語へ、
マークダウンという用語は使用しない
— 現在どのような方々がNotionを使われていますか?
久住さん:
現在、事業戦略を検討する事業部から営業、開発、運用など組織全体で使っています。エンジニアだけでなく、いわゆるビジネス側の人たちもNotionを使いこなしています。
— 社内への啓蒙活動で意識したことはありますか?
久住さん:
“マークダウンという言葉は使わず、できるだけ相手にあわせた表現” を使いました。
以前の環境ではで議事録をマークダウンで共有すると、「なんでシャープが入っているの?」みたいなことを言われたりもしました。
ですので、たとえば非エンジニアのメンバには、「シャープとハイフン、それくらい覚えれば大丈夫です」の様に伝えました。極力、マークダウンという言い方はしないように心がけました。
マークダウン記法はマークアップ言語に分類されます。「言語」というと壁を感じますが、1つの記号を前に置くだけだ、というイメージを持っていただきました。
島川さん:
実際社内で運用し始めた時も最初マークダウンを使わずにベタ書きしている方も居ました。
しかし「こういう書き方できるのですよ」とその場で教えたら、皆さん直ぐに身についていました。Notionのマークダウンはリアルタイムに変換されるのもあって、 ”感覚的に使える” のだと思います。
— エンジニアでない方々でも、Notionに対する抵抗感は無かったですか?
久住さん:
慣れるまで画面の作りに難しいという印象を持ち、「エンジニア向けだな」というのが最初の印象です。
正直、”社内浸透しないかな” とも思いました。
私もそもそもWikiのナレッジ共有のサービスはほとんど知らなかったです。Notionも島川さんに教えていただきました。島川さんが勉強会などで紹介していただいたのもあり、私たちは自然とNotionには慣れることができました。
島川さん:
クラスメソッドでも、ネクストモードでも勉強会を起点に広まりました。勉強会から、30~40人ほど集まり
「Notionはいいね」という状態になりました。これはNotionにかぎらずですが、よいツールは発信して取り入れる、それが私たちの文化です。
久住さん:
ほかに実施した点として、所属している事業部での報告会や説明をNotionに統一しました。これらによって自然とNotionが浸透していきました。報告会で事業部のリーダーから会社全体にそれを見せながら内容を説明する。
つまり、 ”ボトムアップとトップダウンの両方のアプローチ” が自然にできました。
インテグレーション事業部のエンジニアの方々がNotionを初期から使っていたので断然使いこなすなと思ったのですが、意外にもマーケティング事業部なども使い始めたら違う使い方をしていたりして、覗くと結構すごいです。こんな機能もあるのだと勉強になります。
島川さん :
私たちの事業部とマーケティング事業部では、Notionの整理方法が全然違うのです。私たちの場合はテキストを中心にページを配置していますが、マーケティング事業部は視認性を高める方向に振っていて、結構色が出ています。
島川さん:
Notionを使っていると、ページを育てている感が強くて、 “みんなで作る創作感が楽しい“ です。型がない分自由すぎて迷うこともあるのですが、企業によっても様々な色が出るとおもいます。
別の業態の会社さんだと別の使い方なのだろうなという感覚があります。その自由さをみんな楽しんでいるのだろうと思います。
久住さん:
他部署から共有されたので面白かったのは、お客さんに紹介できるステークホルダーの一覧をNotionページで共有していました。
そういった、私たちが良い意味で “意図していない使い方を、それぞの発想で実施する” ことでマーケティング事業部、インテグレーション事業部だけではなくて全社的に情報連携しやすくなっていたりもしていて、情報が勝手にスケールしていました。
リモートでも相手の体温を感じられる
— 具体的にはどのような用途でNotionを利用していますか?
島川さん:
Wikと、議事録、社内勉強会などに使っています。
Wikiは久住さんに作って頂きました。ネクストモードに参加した方はまずここを見て、何を実施する必要があるのかを書いています。
議事録の例ですと、日付ごとにページを作っています。チーム分の週報があり、ここでメンバーの近況を紹介しあっていたりします。案件の逼迫状況などもシェアしています。
— Notionを使っていて意外だったポイントはありますか?
久住さん :
Notionで議事メモをとりながらお客様と複数人で打ち合わせをしている時の話です。その時に、Notionの議事録のなかで
「久住さんこれどうやっているんですか?」と雑談みたいにテキストが書かれていて、Notion内で返答をしていたことがありました(笑)
つまり、その場でお客さんとは会話しながら裏では、Notion上のリアルタイム同期機能で社内の人とテキストで会話していました。こういったNotion内で会話するというのは、Notionならではだと思いました。
久住さん:
Notionでページを作って共有すると、相手のアイコンが現れてどこを見ているか、どれだけ見ているか、どこで止まったかが見えたりするのもおもしろいです。
そういった理由で、Notionはリモートで働いていても “相手の体温を感じられる” ところが楽しいと感じます。
— 以前の環境に比べて、情報共有に対する変化はありますか?
久住さん :
Notionを導入したことによって、個人ナレッジや事業全体のナレッジ、会社全体のナレッジがちゃんとまとまりました。なおかつ、それぞれが日々アップデートされているというのがすごいと思います。
個人が情報を更新しやすいのもあって、情報も常に最新化されています。情報が見やすくなって、見つけやすくもなって、メリットを現在まさに実感中です。
Notionのテンプレートを使って仕事が効率化されたり、何か全社的に使いやすいテンプレートを作るだけで全社の業務効率があがるのもとてもいいと思います。
社内でムダなOfficeファイルを作らない
— Notionに情報を統一するために変えた事はありますか?
島川さん:
社内勉強会では、PowerPointは作らなくなりました。
実は最初、PowerPointで資料を作成したのですが、とても時間がかかりました。企業によってはよくあると思うのですが、上長への説明のために相当な時間をかけて資料作り、さらに説明する時間もとって説明する。
その時間の多くは社内においてはとてもムダだと思う場面が多いです。PowerPointは意外と配置や整形など本質でない部分に時間が消費されます。
久住さん:
社内説明資料を修正してレビューして、また修正みたいな作業ですね。ネクストモードにそういった文化はまったくないですが、以前の環境の他チームでは内部資料作成に多く時間を費やしていました。
今となっては資料を作るのだったらNotionで作ったほうが早いし、わかりやすいという共通認識です。
— ExcelやスプレッドシートがNotionに置き換えられた例はありますか?
島川さん:
稼働管理表はスプレッドシートで実施していたので、それをNotionへ置き換えました。データベースのテーブルビューを使って、自分たちの稼働状況を申告制で可視化しています。
島川さん:
ネクストモードの案件の采配は挙手制なのです。これはクラスメソッドから引き継いでいる文化です。ただ、それだけで回らない時に、参考にするのがこの稼働管理表です。こうすると部全体の忙しさが可視化できるのでとても助かっています。
— Notion使っていてよかったなと、感じたことはありますか?
久住さん:
Wikiとしてご紹介したオンボーディング資料です。参画したらまずこれを見てくださいというモノを作ったのですが、これがとても助かっています。ネクストモードが立ち上がってから、人材交流もあって出入りが多いです。
そうすると毎回人が来るたびに、システムの説明や、ログイン方法、チーム構成、ビジョンなどを説明する必要があります。それらを省いてNotionページを見てもらうだけで、半日くらいでオンボーディングが完了するというのが、素晴らしいです。
島川さん:
そうですね。そういったところを狙って導入したところもあるので、期待通りです。
— 複数人で使っていることでのメリットはありましたか?
久住さん :
ちょうど先日あったのですが、KPTを使ってNotion上で振り返りをしていました。その際に、会社全体の30人ほどで同じページで実施していたのですが、それがリアルタイムに実施できてとても効率的でした。
共同編集できるとは把握していましたが、30人以上で編集しても問題無く動作していることにみんな感動していました。
Notionは真面目な部分と遊び心がある部分といろいろな使い方ができるから、型がないことに対する創意工夫がとても楽しいです。
— Notionの不向きなポイントは有りましたか?
島川さん:
社外へのパブリック共有面です。URL公開したらもう全員見られるという点ですね。パブリック向けのセキュリティー面で機能が弱い点は気になりました。
ただし、機密情報はGoogleドライブで管理して、NotionにはGoogleドライブへのリンクを張ったりすることで、普通に棲み分けて運用できています。
— もしも、今後Notionがなくなったら業務はどう変わると思いますか?
久住さん:
多分また違う同じようなツールを選定し始めるのだろうなと思います。
しかし、同じような考え方、Notionで作り上げた会社全体のマインドをまた構築し直さななくてはいけないので、なくなってほしくないですね。時間がかかってしまいます。
島川さん:
私の場合、ちょっと仕事がつまらなくなるかな。楽しさを奪われるみたいな感じです。気づけばNotionを触っている時間が好きなのです。
"楽しさ" を体感できるところまで使ってほしい
— Notionを導入したい企業へ何かアドバイスはありますか?
島川さん:
まず使ってみてほしい。可能なら一人ではなく、複数人でのゲーム感覚でトライしてみてほしいです。
ゲームやっている人にしか分からないと思うのですが Minecraft に近い感覚です。Notionという世界でみんなで情報を作り上げていく。
Slack のようにNotionが当たり前になってほしいな、と思います。
久住さん:
そうですね、私もまず使ってみてほしいと思います。
最初はエンジニア用に映るのでエンジニアではない人は取っ付きづらいと感じるかもしれません。
ですが、そこで諦めずに壁を越えると、超楽しくなってきます。その楽しさに気づいた瞬間からNotionの本域です。
自分で作り上げていく。自分たちで作りたい世界を作り上げていく感じがいいですね。
島川さん:
活かすも、活かさぬも、自分たち次第ですね。
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